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2020/01/25

進行胃癌へのニボルマブ投与で急性増悪患者のPFSとOSは急性増悪でないPD患者と同等【ASCO GI2020】

横山勇生=編集委員

 進行胃癌に対するニボルマブ投与で、腫瘍の増殖率が前治療の2倍以上と定義した急性増悪(HPD:Hyper progressive disease)が起きた場合でも、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)は非HPDの増悪(PD)と差がないことが示された。日本における多施設のレトロスペクティブな研究の結果示された。1月23日から25日まで米サンフランシスコで開催されているGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI2020)で、がん研有明病院の鈴木健氏が発表した。

 鈴木氏は、「腫瘍増殖のみだけではなく、新規部位の出現や測定病変がない場合の腹水の増加も指標にしてHPDを定義すれば異なった結果になったかもしれない」と語った。

 研究グループは、20歳以上、前治療中、ニボルマブ投与の前と投与後の少なくとも3回測定が可能な病変を有し、少なくとも化学療法2レジメンに抵抗性または不耐容(前化学治療には抵抗性)で、3次治療以降としてニボルマブを投与された進行胃癌患者を適格として、医療記録を集めてレトロスペクティブに解析を行った。標的腫瘍の長径和を用いた計算で、ニボルマブ投与による腫瘍増殖率が前治療の2倍以上となった場合をHPDと定義して評価した。

 解析の対象となったのは245人。患者背景は、年齢中央値が69歳(29-94)で、男性が75.9%、PS 1以上が71.9%、HER2陰性が68.2%、腹膜転移ありが56.3%、転移部位数2個以上が71.4%、NLRは1.8以上が65.7%、びまん型が40.8%、肝転移ありが53.1%、化学療法歴数3未満が62.0%だった。患者におけるニボルマブの効果は、部分奏効(PR)が14.7%、病勢安定(SD)が25.3%、増悪(PD)が60.0%。HPDと判定されたのは41人(16.7%)だった。

 単変量解析でHPDに関する有意な因子として同定されたのは組織型(びまん型、p=0.043)と肝転移あり(p=0.035)だった。多変量解析でHPDに関する有意な因子として同定されたのは肝転移あり(p=0.037)だった。

 全体でPFS中央値は1.9カ月(95%信頼区間:1.9-2.3)、OS中央値は8.5カ月(95%信頼区間:7.3-9.5)だった。

 抗腫瘍効果別のPFS中央値は、PR患者が11.4カ月(95%信頼区間:6.7-NA)、SD患者が5.3カ月(95%信頼区間:4.0-6.3)、PD(HPDでない)患者が1.6カ月(95%信頼区間:1.4-1.7)、HPD患者が1.4カ月(95%信頼区間:1.3-1.6)だった。PD(HPDでない)患者とHPD患者のカプランマイヤー曲線はほぼ重なり、差はなかった。

 抗腫瘍効果別のOS中央値は、PR患者がNA(95%信頼区間:NA-NA)、SD患者が11.6カ月(95%信頼区間:8.5-16.7)、PD(HPDでない)患者が4.8カ月(95%信頼区間:4.0-7.1)、HPD患者が5.0カ月(95%信頼区間:3.3-7.6)だった。こちらもPD(HPDでない)患者とHPD患者のカプランマイヤー曲線はほぼ重なり、差はなかった。

 PD(HPDでない)患者とHPD患者の背景因子に有意な差があるものはなかった。

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