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2019/12/17

HR陽性HER2陰性進行乳癌での導入化学療法後維持療法の内分泌療法はカペシタビンの併用が有用【SABCS2019】

横山勇生=編集委員

 ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性進行乳癌に対して、ベバシズマブとパクリタキセルを用いた導入療法を行ったあとに維持療法を行う場合、内分泌療法のみに比べて内分泌療法にカペシタビンを加えた方が良い可能性が明らかとなった。日本で実施された多施設無作為化フェーズ2試験であるKBCSG-TR1214試験の結果、維持療法の無増悪生存期間(PFS)は内分泌療法にカペシタビンを加えた方が有意に長く、24カ月全生存(OS)率も良好な傾向を示した。

 12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2019)で、大阪大学の吉波哲大氏が発表した。

 KBCSG-TR1214試験の適格基準は、遠隔転移を有するか切除不能な再発ホルモン受容体陽性乳癌で、PS 0または1、内分泌療法の効果が期待でき、転移癌への化学療法歴数が1までとされた。患者は、導入化学療法として4週間おきに1日目、8日目、15日目にパクリタキセル90mg/m2投与と2週おきに10mg/kgのベバシズマブ投与を6サイクル受けた。そして病勢安定(SD)以上の効果が得られた患者を、維持療法として内分泌療法(内容は医師選択)のみを受ける群(内分泌療法のみ群)と内分泌療法に4週間を1サイクルとして1日目から21日目までカペシタビン1657mg/m2の投与を受ける群(カペシタビン併用群)に無作為に割り付けた。維持療法で増悪した場合には、パクリタキセルとベバシズマブによる再導入療法を受けることになっていた。

 主要評価項目は、維持療法のPFS。副次評価項目は、無作為化から再導入療法が増悪するまで(または再導入療法ができなかったまで)の期間であるTFS、再導入療法の有効性、OS、安全性だった。

 試験には、2012年5月から2016年4月までに116人が登録され、内分泌療法のみ群に46人、カペシタビン併用群に44人が割り付けられた。内分泌療法のみ群で維持療法が続けられているのは3人で、13人は再導入療法ができず、30人が再導入療法を受けた。カペシタビン併用群で維持療法が続けられているのは7人で、13人は再導入療法ができず、24人が再導入療法を受けた。

 試験の結果、維持療法のPFS中央値は、内分泌療法のみ群が4.3カ月(95%信頼区間:3.6-6.0)、カペシタビン併用群が11.1カ月(95%信頼区間:8.0-11.8)で、ハザード比0.531(95%信頼区間:0.339-0.829)、p=0.005で有意にカペシタビン併用群で長かった。TFS中央値は、内分泌療法のみ群が13.9カ月(95%信頼区間:8.7-17.8)、カペシタビン併用群が16.6カ月(95%信頼区間:11.5-19.5)で、ハザード比0.755(95%信頼区間:0.484-1.179)、p=0.215だった。無作為化からの24カ月時点のOSは、内分泌療法のみ群が53.1%(95%信頼区間:37.5-66.4)、カペシタビン併用群が73.0%(95%信頼区間:56.5-84.1)、ハザード比0.409(95%信頼区間:0.170-0.986)、p=0.052とカペシタビン併用群で良好な傾向が認められた。

 維持療法のPFSのフォレストプロットの結果から、カペシタビン併用群で特に良好な結果を示したのは、組織学的グレードが3、進行乳癌に対する内分泌療法治療歴数が3以上の集団だった。

 両群を合わせて、再導入療法のPFS中央値は7.8カ月(95%信頼区間:6.7-9.5)で、部分奏効が11人(20.4%)、24週以上のSDが得られたのは23人(42.6%)だった。

 グレード3以上の副作用は、カペシタビン併用群で内分泌療法のみ群より3人以上多く認められたのはPPE症候群(13.6%)だった。

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