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2019/12/17

進行乳癌への経口パクリタキセルは3週1回投与の静注パクリタキセルよりも高い奏効率を示す【SABCS2019】

横山勇生=編集委員

 進行乳癌に対して、経口パクリタキセルとP糖タンパク阻害薬encequidarの併用が、3週1回投与の静注パクリタキセルよりも有効で、末梢神経障害が少ないとする試験結果が発表された。中南米で実施されたオープンラベルフェーズ3試験で、確定奏効率は経口パクリタキセルの方が静注パクリタキセルを有意に上回った。無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)についても良好な結果が得られた。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2019)で、ホンジュラスDEMEDICAのGerardo Umanzor氏が発表した。

 実施されたフェーズ3試験は、進行乳癌患者を経口バクリタキセル+encequidarを投与する群(経口パクリタキセル群)と静注パクリタキセルを投与する群(静注パクリタキセル群)に、2対1に割り付けて行われた。経口パクリタキセル群には、1週あたり3日間205mg/m2+encequidar15mgが投与された。静注パクリタキセル群には、3週おきに75mg/m2が投与された。主要評価項目はRECISTv1.1を用いた盲検下独立中央判定による確定奏効率。副次評価項目は、PFSとOSだった。

 試験には進行乳癌患者402人が登録され、経口パクリタキセル群に265人、静注パクリタキセル群に137人が割り付けられた。両群の患者背景に差はなかった。試験参加以前にタキサン系抗癌薬の投与を受けていたのは、経口パクリタキセル群が29%、静注パクリタキセル群が30%だった。

 試験の結果、プロトコール上規定されていたmITT(ベースラインでの画像判定が可能で経口パクリタキセルは少なくとも7回、静注パクリタキセルは少なくとも1回投与、経口パクリタキセル群235人、静注パクリタキセル群125人)解析で、確定奏効率は、経口パクリタキセル群が40.1%(CRは1.3%)、静注パクリタキセル群が25.6%、p=0.005で有意な差があった。mITTにおける確定奏効率は、サブグループ解析の結果も一般的に経口パクリタキセル群が優位だった。経口パクリタキセル群で、奏効が確定した患者の奏効期間が100日超は74.7%、200日超は33.7%、300日超は12.6%だった。

 mITTにおけるPFSは、中央値が経口パクリタキセル群で9.3カ月、静注パクリタキセル群で8.3カ月、ハザード比0.760(95%信頼区間:0.551-1.049)、p=0.0773で経口パクリタキセル群に良好な傾向があった。また、mITTにおけるOSは、中央値が経口パクリタキセル群で27.9カ月、静注パクリタキセル群で16.9カ月、ハザード比0.684(95%信頼区間:0.475-0.985)、p=0.0353で経口パクリタキセル群が有意に良かった。ただし、ITTの解析におけるOSは、中央値が経口パクリタキセル群で27.7カ月、静注パクリタキセル群で16.9カ月、ハザード比0.762(95%信頼区間:0.540-1.077)、p=0.114で傾向を示したにとどまっていた。

 副作用は、神経障害、脱毛、疼痛は経口パクリタキセル群で少なく、血液学的毒性はやや経口パクリタキセル群で多く、下痢、吐き気嘔吐、腹痛の消化器毒性は、明らかに経口パクリタキセルで多かった。

 発表に対しては、mITT解析で評価したことへの疑問や、標準的に使われているweeklyパクリタキセルとの比較ではないという指摘があった。

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