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2019/12/17

抗HER2療法で増悪したHER2陽性進行乳癌へのmargetuximabと化学療法の併用によるOSの改善傾向続く【SABCS2019】

横山勇生=編集委員

 抗HER2療法を受けて増悪したHER2陽性の進行乳癌に対して、Fc最適化抗HER2抗体margetuximabと化学療法の併用が、トラスツズマブと化学療法の併用よりも無増悪生存期間(PFS)を有意に延長できることを示したフェーズ3試験SOPHIAの2回目の全生存期間(OS)の解析で、margetuximabと化学療法併用が示していた良好な傾向がさらに強まったことが分かった。SOPHIA試験の2019年9月をカットオフとした最新データの中で明らかとなったもの。

 12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2019)で、米University of California San Francisco Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏が発表した。

 SOPHIA試験の2018年10月をデータカットオフとした結果は、米国臨床腫瘍学会(ASCO2019)で発表されていた。

 margetuximabは抗HER2キメラモノクローナル抗体で、免疫エフェクター細胞を活性化するようにFc領域が最適化されている。エフェクター細胞により強固に結合できるようになり、特にIgGの受容体であるFcγRのうち、活性型であるFcγRIIIa(CD16A)への結合を増加させ、抑制型のFcγRIIb(CD32B)への結合を減少させることで、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)を高める。

 SOPHIA試験は、ペルツズマブを含む2レジメン以上の抗HER2療法歴があり、転移癌への治療歴数が1から3のHER2陽性進行乳癌患者を対象とした無作為化オープンラベルフェーズ3試験。医師が化学療法(カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、ビノレルビンから選択)を選択した後、患者はmargetuximab群(3週おきにmargetuximabを15mg/kg投与+化学療法)とトラスツズマブ群(3週おきにトラスツズマブ6mg/kg投与、ただし初回のみ8mg/kg+化学療法)に1対1で割り付けられた。

 ASCO2019で発表された研究グループの評価によるPFS中央値は、margetuximab群が5.6カ月、トラスツズマブ群が4.2カ月で、ハザード比0.70(95%信頼区間:0.56-0.87)、層別化p=0.001で有意にmargetuximab群で延長していた。今回発表された2019年9月データカットオフの研究グループの評価によるPFS中央値は、margetuximab群が5.7カ月、トラスツズマブ群が4.4カ月で、ハザード比0.71(95%信頼区間:0.58-0.86)、層別化p=0.0006でASCOの時と変わらず有意にmargetuximab群で延長していた。

 2019年9月データカットオフの研究グループの評価による奏効率は、margetuximab群が25.2%(95%信頼区間:20.1-30.9)、トラスツズマブ群が13.7%(95%信頼区間:9.8-18.4)で、margetuximab群の方が有意に高かった(p=0.0006)。臨床的有用率はmargetuximab群が248.1%(95%信頼区間:42.0-54.3)、トラスツズマブ群が35.6%(95%信頼区間:29.9-41.6)で、margetuximab群の方が有意に高かった(p=0.0025)。

 OSの2度目の中間解析(観察期間中央値15.6カ月)の結果は、中央値が、margetuximab群が21.6カ月(95%信頼区間:18.86-24.05)、トラスツズマブ群が19.8カ月(95%信頼区間:17.54-22.28)で、ハザード比0.89(95%信頼区間:0.69-1.13)で1回目同様有意な差はなかったが、ハザード比が少し改善した。

 FcγRIIIa(CD16A)の遺伝子多型で、トラスツズマブの効果を減少することに関連していると考えられているCD16A-158F型の患者におけるOS中央値は、margetuximab群が23.7カ月(95%信頼区間:18.89-28.32)、トラスツズマブ群が19.4カ月(95%信頼区間:16.85-22.28)で、ハザード比0.79(95%信頼区間:0.61-1.04)、p=0.087でmargetuximab群が良い傾向がより明らかとなった。

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