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2019/12/12

HER2陽性早期乳癌の術後補助療法にペルツズマブの追加はiDFSの延長がより確かに、HR陽性でも効果【SABCS2019】

横山勇生=編集委員

 HER2陽性早期乳癌に対する術後補助療法として、ペルツズマブトラスツズマブ、化学療法の併用は、トラスツズマブと化学療法を併用した場合よりも、浸潤癌のない生存期間(iDFS)を有意に延長できることがより確かになった。フェーズ3試験であるAPHINITY試験の6年間観察の結果、併用群で28%の再発リスク低減が示された。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2019)で、ベルギーInstitut Jules BordetののMartine Piccart氏によって発表された。

 APHINITY試験はpT1-3のHER2陽性乳癌で適切に病変を切除された患者を、無作為にペルツズマブ、トラスツズマブ、化学療法の併用を受ける群(ペルツズマブ併用群)と、プラセボ、トラスツズマブ、化学療法の併用を受ける群(プラセボ群)に、手術後8週間以内に無作為に割り付けた。どちらも標準的な化学療法(アントラサイクリンとタキサンの継続投与かTCH、タキサンは抗HER2療法と同時に開始)と1年間の抗体製剤の投与を受けた。

 2011年11月から2012年8月までに4805人が無作為に割り付けされ、ペルツズマブ併用群は2400人、プラセボ群は2405人だった。APHINITY試験の結果は2017年に発表されていた(観察期間中央値が45.4カ月)。iDFSイベントは、ペルツズマブ併用群の171件(7.1%)、プラセボ群の210件(8.7%)に発生した。層別化ハザード比が0.81(95%信頼区間:0.66-1.00)、p=0.045で有意にペルツズマブ併用群が良い結果だった。3年iDFS率は、ペルツズマブ併用群が94.1%、プラセボ群が93.2%だった。

 リンパ節転移陽性患者のサブグループで、3年iDFS率は、ペルツズマブ併用群が92.0%、プラセボ群が90.2%で、ハザード比が0.77(95%信頼区間:0.62-0.96)、p=0.02でペルツズマブ併用群が良い結果だった。また、ホルモン受容体陰性患者のサブグループで、3年iDFS率は、ペルツズマブ併用群が92.8%、プラセボ群が91.2%で、ハザード比が0.76(95%信頼区間:0.56-1.04)、p=0.085と良い傾向だった。

 今回、データカットオフを2019年6月19日とした観察期間中央値74.1カ月、約6年のデータが発表された。全生存期間(OS)の2回目の中間解析、iDFSに関してアップデートされた記述解析、循環器系の安全性の結果が報告された。

 2017年に発表されたOSに関する最初の中間解析においては、全体で169人のみが死亡でOS率はペルツズマブ併用群が97.7%、プラセボ群が97.3%、ハザード比0.89(95%信頼区間0.56-1.21)、p=0.47と差はなかった。今回発表された2回目の中間解析においても死亡数は少なく、ペルツズマブ併用群の6年OS率は94.8%、プラセボ群は93.9%で、ハザード比0.85(95%信頼区間:0.67-1.07)、p=0.170で依然として有意差はついていない。

 アップデートしたiDFSは、ハザード比0.76(95%信頼区間:0.64-0.91)で、2017年の結果よりもペルツズマブ追加の効果が明確となった。6年IDFS率はペルツズマブ群が90.6%、プラセボ群が87.8%だった。この差は遠隔再発(ペルツズマブ群が5.9%、プラセボ群が7.7%)と局所再発(ペルツズマブ群が1.2%、プラセボ群が2.0%)がペルツズマブ群で少なかったためだった。

 2017年の結果と同様に、リンパ節転移陽性患者でペルツズマブ追加の効果が高く、ハザード比は0.72(95%信頼区間:0.59-0.87)だった。6年間iDFS率は、ペルツズマブ群87.9%、プラセボ群83.4%で4.5%の差があった。リンパ節転移陰性患者においては、ハザード比は1.02(95%信頼区間:0.69-1.53)だった。6年間iDFS率は、ペルツズマブ群95.0%、プラセボ群94.9%で差はなかった。

 長期観察によって、ホルモン受容体陽性患者もペルツズマブ追加の効果があることが判明した。ホルモン受容体陽性患者のIDFSのハザード比は0.73(95%信頼区間:0.59-0.92)だった。一方、陰性患者のハザード比は0.83(95%信頼区間:0.63-1.10)で、研究グループはホルモン受容体の状態に関わらずペルツズマブの効果が認められたとした。

 なお、循環器毒性の新たな問題は発生しなかった。

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