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2019/12/12

導入療法で寛解した55歳以上の急性骨髄性白血病にDNAメチル化阻害薬CC-486の維持療法は有意に生存を改善【ASH2019】

八倉巻尚子=医学ライター

 導入療法で初回寛解が得られた55歳以上の急性骨髄性白血病AML)患者に対し、DNAメチル化阻害薬CC-486(経口用アザシチジン)は維持療法として、全生存期間(OS)と無再発生存期間(RFS)を有意に改善することが、国際的ランダム化二重盲検プラセボ対照比較フェーズ3試験QUAZAR AML-001で明らかになった。オーストラリアThe Alfred HospitalのAndrew H. Wei氏らが、12月7日から10日まで米オーランドで開催された米国血液学会(ASH2019)で発表した。

 試験は23カ国148施設で行われた。導入療法のみ、あるいは地固め療法も行って完全寛解(CR)もしくは血球数の回復が不完全な完全寛解(CRi)に至った55歳以上の初発AMLあるいは二次性AML患者を対象とした。ECOG PSは0-3、細胞遺伝学的異常が中リスクか高リスクで、造血幹細胞移植(HSCT)の適応でない患者とした。

 CR/CRi到達から4カ月以内にCC-486(300mg)群とプラセボ群に1:1に患者を割り付けて、28日を1サイクルとして1日に1回、14日間投与した。効果を3サイクルごとに評価し、CR/CRiの場合は治療を継続した。骨髄中の芽球が5-15%の場合は21日間投与も許可した。芽球15%超では治療を中止した。年齢(55-64歳、65歳以上)、骨髄異形成症候群(MDS)/慢性骨髄単球性白血病(CMML)の既往、細胞遺伝学的異常(中リスク、高リスク)、地固め療法(あり、なし)で層別化した。主要評価項目はOS(ランダム化から死亡まで)、副次評価項目はRFS、健康関連QOL、安全性と忍容性だった。

 2013年5月から2017年10月までに472人がランダム化された。CC-486群が238人、プラセボ群が234人だった。患者背景は2群でバランスがとれていた。年齢中央値は68歳(55-86)で、初発AMLが91%を占め、細胞遺伝学的異常が中リスクの患者が86%、高リスクが14%だった。導入療法でCRに至った患者がCC-486群79%、プラセボ群84%で、CRiが21%と16%だった。地固め療法を受けた患者が78%と82%だった。また微小残存病変(MRD)陽性が43%と50%だった。

 観察期間中央値41.2カ月で、OSはCC-486群で有意に改善した。OS中央値がCC-486群24.7カ月(95%信頼区間:18.7-30.5)、プラセボ群は14.8カ月(95%信頼区間:11.7-17.6)で9.9カ月の差があり、ハザード比は0.69(95%信頼区間:0.55-0.86)、p=0.0009だった。1年生存率は73%と56%、2年生存率は51%と37%であった。すべてのサブグループでCC-486群のOSは優れていた。
 
 RFSもCC-486群で有意に延長した。RFS中央値はCC-486群10.2カ月(95%信頼区間:7.9-12.9)、プラセボ群4.8カ月(95%信頼区間:4.6-6.4)で5.3カ月の差があり、ハザード比0.65(95%信頼区間:0.52-0.81)、p=0.0001だった。RFSもすべてのサブグループでCC-486群が優れていた。

 CC-486の安全性および忍容性は管理可能な範囲であり、予想外の有害事象はなかった。CC-486群の主な有害事象は消化管毒性だった。全グレードで悪心がCC-486群65%、プラセボ群24%、嘔吐が60%と10%、下痢が50%と22%だった。主なグレード3/4の有害事象は好中球減少症でCC-486群41%、プラセボ群24%であった。重篤な有害事象は34%と25%に見られた。治療関連死はなかった。
 
 治療期間の中央値はCC-486群が12サイクル(1-80)、プラセボ群が6サイクル(1-73)であった。有害事象による投与中断が43%と17%、減量が16%と3%だった。両群とも好中球減少症による投与中断、減量が多かった。有害事象による投与中止は13%と4%だった。

 プラセボ群に比べてCC-486群では健康関連QOLは維持されていた。

 以上の結果から、CC-486は導入療法で寛解が得られたAML患者において、地固め療法の有無にかかわらず、OSとRFSが統計学的に有意に改善し、また臨床的に意味のある改善を示した最初の維持療法であるとした。そのためCC-486による維持療法は初回寛解に至った55歳以上のAML患者の新たな標準治療になるとした。

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