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2019/12/12

最初の再発を起こした高/中間リスク若年B-ALLへの再導入療法でブリナツモマブは化学療法より有用【ASH2019】

横山勇生=編集委員

 最初の再発を起こした高/中間リスクの小児・青少年のB細胞性急性リンパ性白血病B-ALL)患者に造血幹細胞移植前に行う再導入療法として、ブリナツモマブは標準的な化学療法よりも効果と忍容性が優れることが明らかとなった。フェーズ3試験である AALL1331試験の結果示された。12月7日から10日まで米国オーランドで開催された米国血液学会(ASH2019)で、米Sidney Kimmel Comprehensive Cancer CenterのPatrick A. Brown氏が発表した。

 小児、青少年のB-ALLは、最初の再発を起こすと従来の治療法では2回目の再発、死亡が高率で起こるため、やっかいな問題とされている。特に早期再発(高リスク:骨髄内再発が1回目の完全寛解から36カ月未満、または髄外再発が1回目の完全寛解から18カ月未満)や晩期再発で再導入化学療法終了時点の微小残存病変(MRD)が0.1%以上(中間リスク)の患者において課題とされている。これらの患者には同種造血幹細胞移植が手段としてあるが、多くの再発患者は化学療法の副作用で移植できないことや、移植が最も効果的な結果となることと関連するMRD陰性の2度目の寛解を達成できないことがある。

 ブリナツモマブは、CD19とCD3に二重特異性を有しT細胞を誘導するBiTE(Bispecific CD19-Directed CD3 T-Cell Engager)抗体。B細胞系の細胞表面に発現するCD19とエフェクターT細胞の表面に発現するCD3に結合し、ALLに効果を発揮する抗体医薬である。

 AALL1331試験は、1歳から30歳で最初の再発を起こしたB-ALL患者に再導入化学療法を行った後にリスク判定し、高リスク/中間リスクとなった患者を、2回の強力な化学療法を行う群(標準化学療法群)とブリナツモマブを4週間持続投与し1週休薬して、さらに4週間持続投与し1週間休薬する群(ブリマツモマブ群)に無作為に割り付けた。どちらの群も治療後は造血幹細胞移植を受けた。標準化学療法群、ブリナツモマブ群ともに1回治療が終了した後と2回終了した後で評価を行った。

 試験の主要評価項目は無病生存期間(DFS)。副次評価項目は、全生存期間(OS)、MRD効果(中央センターでフローサイトメトリーで評価)、造血幹細胞移植の遂行率などだった。

 試験は2019年6月30日をデータカットオフとしたデータを中間解析した段階で有効中止とされた。

 標準化学療法群には103人、ブリナツモマブ群には105人が割り付けられた。患者はリスクで層別化され、高リスクの場合は再発部位、1回目の完全寛解の期間で層別化されていた。両群の患者背景に大きな差はなかった。18歳から30歳までが16%含まれていた。

 試験の結果、観察期間中央値1.4年で、2年DFS率は標準化学療法群が41.0±6.2%、ブリナツモマブ群が59.3±5.4%、p=0.050で有意にブリナツモマブ群が高かった。2年OS率も標準化学療法群が59.2±6.0%、ブリナツモマブ群が79.4±4.5%、p=0.005で有意にブリナツモマブ群が高かった。

 再導入化学療法終了時点でMRDが検出(0.01%以上)された患者で、MRD不検出となった割合は、標準化学療法群が33%、ブリナツモマブ群が66%で、ブリナツモマブ群が有意に高かった(p<0.0001)。

 造血幹細胞移植遂行率も、明らかにブリナツモマブ群が高かった(p<0.0001)。標準化学療法群は、投薬を受けた94人中45人、ブリナツモマブ群は97人中73人だった。

 1回目の治療と2回目の治療のどちらでも、グレード3以上の発熱性好中球減少症、感染症、敗血症は有意に標準化学療法群で多く(p<0.001)、粘膜炎は1回目は有意に標準化学療法群で多く(p<0.001)、2回目は多い傾向だった(p=0.16)。標準化学療法群はグレード5が4人(全て感染症、2歳、17歳、23歳、26歳)に起きたがブリナツモマブ群はなかった。サイトカイン放出症候群はブリナツモマブの1回目の治療の際には22%(全グレード)で発現したが、2回目には1%だった。

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