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2019/12/09

二特異性抗体mosunetuzumabがCAR-T細胞療法後の患者を含む再発・難治性非ホジキンリンパ腫に有望な結果【ASH2019】

横山勇生=編集委員

 CD3CD20を標的とする二特異性抗体であるmosunetuzumabが、数多くの治療を受けた再発難治性非ホジキンリンパ腫に有効である可能性が明らかとなった。CAR-T細胞療法後に再発、抵抗性の患者でも完全寛解が認められた。進行中のオープンラベル多施設フェーズ1/1b試験であるGO29781試験(NCT02500407)で示された。12月7日から10日まで米国オーランドで開催されている米国血液学会(ASH2019)で、米University of Pennsylvania Abramson Cancer CenterのStephen J Schuster氏によって発表された。

 GO29781試験は、再発難治B細胞性非ホジキンリンパ腫患者を対象に、用量漸増コホートと拡大コホートから構成された試験。今回発表されたのは、用量漸増コホートの途中のデータ。Mosunetuzumabは、21日間を1サイクルとして1日目、8日目、15日目と3回投与された。1サイクル目のみ1日目、8日目、15日目と3段階的に増量し、次サイクルの1日目から1サイクル目の3段階目の量で固定した量が投与された。最初の8サイクルで完全奏効が得られた場合には投薬を中止、部分奏効が病勢安定(SD)の場合は17サイクルまで投薬を行うこととされていた。また、CRが得られた患者で再発した場合には、再投与が認められていた。試験の主要目的は、安全性、最大耐量、忍容性の評価とrevised International Working Group criteriaに基づいた最良効果だった。

 安全性の評価は、1日目投与量/2日目投与量/3日目投与量が0.4/1.0/2.8から1.0/2.0/60.0mgの範囲のデータで行われ、安全性の評価は0.4/1.0/2.8から1.0/2.0/40.5mgの範囲のデータで行われた。適格基準は、PS 0-1の1レジメン以上の治療歴がある再発・難治性非ホジキンリンパ腫で標準的な治療法がない患者とされた。

 今回発表されたのは用量漸増コホートで投薬を受けた270人の結果(データカットオフは2019年8月9日)で、その中にはCAR-T療法を受けた患者が30人含まれていた。年齢中央値は62歳(19-96)で、男性が63.7%、ベースライン時でPS 1が61.2%だった。アグレッシブ非ホジキンリンパ腫は180人(66.7%)で、そのうち117人(43.3%)がびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、32人(11.9%)が形質転換FL(trFL)だった。インドレント非ホジキンリンパ腫85人(31.5%)のうち82人(30.4%)が濾胞性リンパ腫(FL)患者だった。全身治療歴数中央値は3(1-14)。CAR-T細胞療法を受けていた患者30人の内訳はDLBCLが17人、trFLが8人、FLが5人だった。30人のうち22人はCAR-T細胞療法に難治性だった。

 試験の結果、アグレッシブ非ホジキンリンパ腫患者における奏効率は37.1%(124人中46人)、CR率は19.4%(124人中24人)だった。2ライン以上の治療歴があったDLBCLかtrFL患者(98人)の奏効率は37.8%、CR率は20.4%だった。CRが得られた患者のうちの17人(70.8%)は、治療終了後最長で16カ月まで寛解が維持されていた。

 インドレント非ホジキンリンパ腫患者における奏効率は62.7%(67人中42人)、CR率は43.3%(67人中29人)だった。2ライン以上の治療歴があったFL患者61人の奏効率は63.9%、CR率は44.3%だった。CRが得られた患者のうちの24人(82.8%)は、治療終了後最長で26カ月まで寛解が維持されていた。

 CAR-T細胞療法を受けていた患者で効果の評価が可能だった18人の結果は、奏効率が38.9%(18人中7人)、CR率が22.2%(18人中4人)だった。DLBCL患者9人の奏効率は22.2%(9人中2人)、CR率は22.2%(9人中2人)、trFL患者5人の奏効率は20.0%(5人中1人)で、CR率は0%だった。FL患者4人の奏効率は100%で、CR率は50%だった。

 また、CRが得られた後に再発した患者で再度投薬を行い効果が認められた例もあった。最大耐量には到達しておらず、用量漸増は継続中である。

 副作用で投薬中止となったのは7人(2.6%)、減量や用量調節が行われたのは20.0%だった。グレード3から5の副作用は63.0%に認められた。多く認められた全グレードの副作用は、サイトカイン放出症候群(CRS)28.9%、好中球減少症24.1%、倦怠感20.4%だった。CRSの発現率と重度の割合、神経学的な副作用の発現率と重度の割合は、全体集団とCAR-T細胞療法を受けた患者で同様だった。

 なお、GO29781試験には日本は参加しておらず、別途フェーズ1試験が行われている。

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