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2019/10/31

KRAS変異陽性進行固形癌を対象に経口汎KRAS阻害薬BI 1701963がフェーズ1を開始、単剤とMEK阻害薬との併用を評価

横山勇生=編集委員

 ドイツBoehringer Ingelheim社は10月29日、経口汎KRAS阻害薬BI 1701963について、KRAS変異を有する進行固形癌を対象に、単剤またはMEK阻害薬であるトレメチニブとの併用を評価するフェーズ1試験を開始したと発表した。

 BI 1701963の前臨床試験の結果は、10月30日まで米ボストンで開催されたAACR-NCI-EORTC International Conference on Molecular Targets and Cancer Therapeutics(AACR-NCI-EORTC2019)で発表された。

 KRAS変異は進行癌で多く発現する7種類の遺伝子変異の1つ。膵癌の90%以上、大腸癌の40%以上、非小細胞肺癌の30%以上で発現していることが分かっている。このため、長年にわたってKRAS阻害薬の開発が進められてきたが難しく、最近になってようやくKRAS変異の中のG12C変異にだけ効果が期待できる薬剤が臨床試験を開始した。しかし、KRAS変異による癌の半数を占めるとされるKRAS G12D変異やKRAS G12V変異にも効果が期待できる分子標的薬はなかった。

 BI 1701963は、グアニンヌクレオチド交換因子である SOS(Son of sevenless)1に結合することでKRASを阻害する薬剤。SOSはRASに結合し、GDPをGTPに変換することでRASの活性化を行う。そのためSOS1は、KRASの変異の種類に関わらずKRASを阻害できる薬剤の標的として近年注目されていた。

 前臨床試験において、BI 1701963はKRAS G12やG13に変異を有する多くの癌細胞株の増殖を抑制した。またKRASに変異を持つ癌細胞株のみに選択的な阻害効果を示した。さらにBI 1701963はMEK阻害薬と併用すると、KRAS系の代替経路を阻害することでKRAS変異に依存した癌細胞株を強く抑制できることも示された。

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