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2019/10/30

HRAS変異陽性腫瘍細胞の割合が高い頭頸部扁平上皮癌にtipifarnibが高い効果を示す可能性【AACR-NCI-EORTC2019】

横山勇生=編集委員

 HRAS変異を有する腫瘍細胞の割合(variant allele frequency:VAF)が高い頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)に、HRASの活性化に必要なファルネシルトランスフェラーゼの選択的阻害薬であるtipifarnibが有効である可能性が明らかとなった。フェーズ2試験の拡大コホートで、VAFが高いHNSCC患者で高い効果が示された。10月26日から30日まで米ボストンで開催されているAACR-NCI-EORTC International Conference on Molecular Targets and Cancer Therapeutics(AACR-NCI-EORTC2019)で、米Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのAlan Ho氏によって発表された。

 Ho氏によると、進行HNSCC患者の約5%から8%にHRAS変異があるという。

 フェーズ2試験は、まずHRAS変異を有する治癒治療不能な固形癌患者に、28日間を1サイクルとして1日目から7日目、15日目から21日目までtipifarnib 900mgを1日2回経口投与して行われた。甲状腺癌コホートとその他の固形癌コホートに分けて開始されたが、その他の固形癌コホートはHNSCCに変更された。HNSCCの患者において、効果が高い患者はHRASのVAFが高いことが判明した。そこで、HRAS変異のVAFが35%以上かベースライン時点の血清アルブミンが少なくとも3.5g/dLありVAFが20%以上のHNSCC患者を対象とした拡大コホート(30人を予定)を設定した。拡大コホートの患者には、28日間を1サイクルとして1日目から7日目、15日目から21日目までtipifarnib 600mgを1日2回経口投与した。また、別途HNSCCではない扁平上皮癌患者を対象としたコホートの登録も開始している。

 拡大コホートで、2019年10月17日までにHNSCC患者21人が投薬を受けた。21人の患者背景は、年齢中央値が64歳(20-89)、男性が14人(66.7%)、癌種は口腔癌が11人(52.4%)、咽頭癌が6人(28.6%)、喉頭癌が3人(14.3%)、その他が1人(4.8%)だった。抗癌薬の治療歴数中央値は2(0-6)。白金系抗癌薬の投与歴があったのは19人(90.5%)、免疫療法の治療歴があったのは13人(61.9%)、セツキシマブの投与歴があったのは11人(52.4%)だった。21人のうち有効性の評価が可能だったのは18人だった。

 試験の結果、部分奏効(PR)が10人で認められ、奏効率は56%(95%信頼区間:31-78)だった。また、残りの8人も病勢安定(SD)で、そのうち2人は未確定PRだった。2人を除いて腫瘍縮小が認められた。効果は持続的で最も長い患者は30サイクルを超え、20サイクルを超えたのは3人だった。PRが得られた患者の無増悪生存期間(PFS)中央値は8.3カ月、SDだった患者は4.5カ月だった。また、前治療によってPFSの差はなかった。

 安全性、忍容性の評価の対象となった20人全員が投薬中に少なくとも1件の副作用を発現したが、支持療法で管理可能だった。また、薬剤関連死はなかった。グレード3以上の薬剤関連副作用は、血液、リンパ系の副作用が9人(45.0%)、胃腸系の副作用が3人(15.0%)に発現した。血液系で多かったのは貧血(7人)、好中球減少症(4人)、白血球減少症(2人)、血小板減少症(2人)だった。胃腸系は吐き気が2人だった。

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