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2019/10/29

KRAS G12C変異陽性固形癌にMRTX849が有効な可能性【AACR-NCI-EORTC2019】

横山勇生=編集委員

 KRAS G12C阻害薬であるMRTX849が、KRAS G12C変異陽性固形癌に有効である可能性が明らかとなった。進行中のフェーズ1試験においてKRAS G12C変異を持つ進行非小細胞癌(NSCLC)患者と進行大腸癌患者で抗腫瘍効果が確認された。10月26日から30日まで米ボストンで開催されているAACR-NCI-EORTC International Conference on Molecular Targets and Cancer Therapeutics(AACR-NCI-EORTC2019)で、米Lowe Center for Thoracic Oncology at the Dana-Farber Cancer Instituteの Pasi A.Janne氏によって発表された。

 KRAS G12C阻害薬では、AMG510のフェーズ1試験の結果が既に報告されている。9月にスペインで開催されたIASLC 20th World conference on Lung Cancer(WCLC2019)で、KRAS G12C変異陽性NSCLCに有効である可能性が認められたことが発表されている。MRTX840とAMG510が交差耐性を示すかどうかは分かっていない。

 2019年10月11日までに、MRTX849のフェーズ1試験にはKRAS G12C変異陽性固形癌患者17人が登録された。全患者が転移巣を有し、他の治療選択がなく活性化した脳転移がない患者だった。癌種はNSCLCが10人、大腸癌が4人、その他が3人だった。患者の年齢中央値は60歳(44-76)、男性が9人だった。喫煙歴があったのは12人(71%)で、NSCLCは10人(100%)、大腸癌は1人(25%)だった。NSCLC患者の治療歴数中央値は3(1-9)で、全員がシスプラチンかカルボプラチンの投与歴があり、9人(90%)は免疫チェックポイント阻害薬の投与歴もあった。

 MRTX840は、1日1回150mgから1日1200mgまで漸増して投与された。1日1回150mg投与群(1人)の患者は、1日1回300mg、1日1回600mgを経て1日2回600mg投与に増量された。1日1回300mg投与群(1人)の患者は、1日1回600mgを経て1日2回600mg投与に増量された。1日1回600mg投与群は2人、1日1回1200mg群は1人だった。最大耐量は同定されていなかったが、前臨床試験で明らかにされた目標血中濃度が達成されたこと、安全性プロファイルが良好だったこと、抗腫瘍活性の早期の兆候が認められたことから、1日2回600mg投与が拡大フェーズの用法・用量となり、12人が登録された。

 評価が可能だった12人のうち、6人が進行NSCLC患者でそのうち3人で部分奏効(PR、全員未確定だったがデータカットオフ後に1人は確定となった)が得られた。6人全員が6週時点で病勢コントロールが得られていた。進行大腸癌で評価が可能だった4人のうち、1人で確定PRが得られた。4人中3人が6週時点で病勢コントロールが得られていた。また、残りの虫垂癌の2人においては、抗腫瘍効果は認められなかったが、2人とも6週時点で病勢コントロールが得られていた。なお、抗腫瘍効果が認められた全員が、MRTX840を1日2回600mg投与されていた。

 2019年10月11日までの投与期間は、NSCLC患者が6.7週から38.6週で、6人中5人で投薬が継続されていた。大腸癌患者は9.9週から30.1週で、4人中2人で投薬が継続されていた。虫垂癌患者は20.9週から20.7週で、2人とも投薬が継続されていた。

 認められた副作用はほとんどがグレード1か2で、多かったのは下痢と吐き気だった。グレード3以上の副作用は3件で、倦怠感と食欲減少、呼吸困難だった。

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