このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2019/10/2

ドセタキセル治療歴があり新規AR標的薬で1年以内に増悪したmCRPCにはカバジタキセルが新規AR標的薬より有効【ESMO2019】

八倉巻尚子=医学ライター

 ドセタキセルによる治療歴があり、新規アンドロゲン受容体(AR)標的薬(アビラテロンエンザルタミド)の投与から12カ月以内に進行した転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)に対し、3次治療でのカバジタキセルは新規AR標的薬に比べて画像診断による無増悪生存期間(rPFS)を有意に2倍延長し、死亡リスクは36%低下できたことが、無作為化オープンラベルのCARD試験で明らかになった。9月27日から10月1日までスペイン・バルセロナで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、オランダErasmus Medical CenterのRonald de Wit氏らが発表した。

 mCRPCにおける至適なシークエンス治療は明らかでないことから、CARD試験(NCT02485691)ではドセタキセルとAR標的薬(ART)による治療歴があるmCRPC患者を対象に、カバジタキセルとアビラテロンもしくはエンザルタミドが比較された。

 対象は、3サイクル以上のドセタキセル投与を受け、前治療でのAR標的薬で12カ月以内に進行したmCRPC患者。ECOG PS 2以下、試験登録時のPSA値2ng/mL以上、血清テストステロン値0.5ng/mL未満を適格条件とした。患者をカバジタキセルを投与する群とアビラテロンもしくはエンザルタミドを投与する群(ART群)に1:1の割合で割り付けて行われた。
 
 カバジタキセル群では、カバジタキセル25mg/m2を3週おきに投与し、プレドニゾン、G-CSFを投与した。ART群では、アビラテロン1000mgとプレドニゾン、もしくはエンザルタミド160mgを投与した。無作為化にあたり、ECOG PS(0/1、2)、前治療のARTにおける無増悪期間(6カ月未満、6-12カ月)、ARTのタイミング(ドセタキセル投与前、投与後)で層別化された。

 主要評価項目は、画像所見によるPFS(rPFS)とした。カバジタキセル群におけるハザード比0.67を検出するためにrPFSイベント数は196人と設定され、この場合の検出力は80%、両側検定で有意水準α=0.05とされた。主要評価項目で有意差が認められた場合に、階層法として、重要な副次評価項目(OS、PFS、PSA奏効率、腫瘍における奏効率)が解析された。

 255人が2群に無作為化割り付けされた。2群の患者背景はバランスがとれていた。年齢中央値はカバジタキセル群70歳、ART群が71歳、75歳以上が34.9%と27.0%だった。前治療のARTはカバジタキセル群でアビラテロンが43.3%、エンザルタミドが55.8%、ART群は53.2%と46.8%だった。またドセタキセル投与前にARTを受けていた患者がカバジタキセル群38.8%、ART群は38.9%だった。

 治療サイクル数の中央値はカバジタキセル群7サイクル、ART群は4サイクルだった。

 主要評価項目のrPFSは、カバジタキセル群で有意に優れていた。カバジタキセル群のrPFS中央値は8.0カ月、ART群は3.7カ月で、ハザード比は0.54(95%信頼区間:0.40-0.73)、p<0.0001であった。サブグループ解析では前治療のARTにおける無増悪期間(6カ月未満、6-12カ月)やARTのタイミングなど、いずれのグループでもカバジタキセル群が優れていた。
 
 カバジタキセル群ではOSも有意に改善した。カバジタキセル群のOS中央値は13.6カ月、ART群は11.0カ月で、ハザード比は0.64(95%信頼区間:0.46-0.89)、p=0.0078となった。
 
 またPFS(画像所見での増悪、症状の増悪、もしくは何らかの原因による死亡までの期間)は、中央値が4.4カ月と2.7カ月、ハザード比は0.52(95%信頼区間:0.40-0.68)、p<0.0001だった。
 
 PSA値がベースライン時よりも50%以上低下した場合をPSA奏効と定義した結果、確定したPSA奏効率は35.7%と13.5%、p=0.0002となった。また腫瘍における奏効率(RECISTv1.1)は36.5%と11.5%、p=0.004だった。疼痛質問票(BPI-SF)で痛みスコアがベースライン時よりも30%低下した場合を疼痛奏効とした結果、疼痛奏効が認められた患者は45.0%と19.3%、p<0.0001だった。

 ARTの薬剤で分けると、ドセタキセルとアビラテロンによる前治療を受けた患者では、rPFSの中央値はカバジタキセル群で7.4カ月、ART群でエンザルタミドが使われた患者では4.8カ月、ハザード比は0.57(95%信頼区間:0.36-0.90)だった。一方、ドセタキセルとエンザルタミドによる前治療を受けた患者では、rPFSの中央値はカバジタキセル群で8.2カ月、ART群でアビラテロンが使われた患者では3.4カ月、ハザード比は0.44(95%信頼区間:0.29-0.67)だった。このためカバジタキセル群のrPFSは、アビラテロンとエンザルタミドのシークエンスにかかわりなく、優れていたとしている。
 
 後治療として、カバジタキセル群ではエンザルタミドやアビラテロンが約1割の患者で使われ、ART群にはカバジタキセルが33.3%に使われていた。また緩和照射がカバジタキセル群は4.7%、ART群は22.2%に行われていた。
 
 グレード3以上の有害事象はカバジタキセル群が56.3%、ART群が52.4%だった。有害事象による治療中止は19.8%と8.9%だった。グレード3以上の主な有害事象は、発熱性好中球減少症がカバジタキセル群3.2%、ART群0%、腎障害が3.2%と8.1%、感染症が7.9%と7.3%、心機能障害が0.8%と4.8%だった。有害事象による死亡は7人(5.6%)と14人(11.3%)だった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ