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2019/10/2

高再発スコアのHR陽性HER2陰性早期乳癌患者の転帰はアンスラサイクリンとタキサンを含む化学療法+内分泌療法で改善【ESMO2019】

森下紀代美=医学ライター

 ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性、腋窩リンパ節転移陰性の早期乳癌で、21遺伝子アッセイで高再発スコア(26-100)の患者では、内分泌療法のみよりも化学療法と内分泌療法を併用することで転帰が改善し、化学療法ではタキサンとアンスラサイクリンを使用した場合に良好となることが、フェーズ3のTAILORx試験の副次的解析から示された。9月27日から10月1日までスペイン・バルセロナで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国Albert Einstein College of MedicineのJoseph A. Sparano氏が発表した。

 TAILORx試験では、HR陽性HER2陰性、腋窩リンパ節転移陰性の早期乳癌において、癌組織の21遺伝子アッセイによる再発スコアから、高再発スコアの場合は化学療法で大きなベネフィットが得られ、低再発スコアの場合は化学療法のベネフィットはないと予測できることが示された。

 ただし、タキサンおよび/またはアンスラサイクリンで治療した高再発スコアの患者の転帰については、前向き臨床試験からの情報は限られている。

 今回の解析では、TAILORx試験の対象のうち、高再発スコアの患者(D群)を対象として、臨床転帰を全対象および化学療法のレジメンで評価すること、内分泌療法のみで治療した場合の転帰を推定することを目的とした。

 D群は任意の登録で、追跡期間中央値は61カ月(範囲:0.1-132)となった。遠隔転移のほとんどは5年以内に起こるが、5年以上の追跡は、A群(低再発スコア、0-10)やB/C群(中間再発スコア、11-25)と比べて、D群ではデータが限られた。

 高再発スコアの患者は1389人(14%)となり、年齢中央値は56歳(範囲:23-75)、腫瘍径中央値は1.7cm(範囲:0.2-21.4)、高グレードの患者は50%、臨床的に低リスクの患者は43%だった。再発スコアの中央値は32(範囲:26-87)、26-30の患者は43%、31-100の患者は57%だった。

 化学療法のレジメンは、ドセタキセル+シクロホスファミド(TC)が42%、アンスラサイクリン(タキサン非併用)が24%、アンスラサイクリン+タキサンが18%、シクロホスファミド+メトトレキサート+5FU(CMF)が4%、その他のレジメンが6%だった。6%の患者は化学療法を受けなかった。レジメン別の年齢中央値は、タキサンまたはアンスラサイクリンが57歳、CMF療法が61.5歳、アンスラサイクリン+タキサンが53.5歳だった。再発スコアが26-30の患者の割合は、化学療法を行わなかった患者(89人)で58%、行った患者(1300人)で42%だった。

 まず、全対象1389人では、5年時の無遠隔再発期間(DRFI)は93.0%、浸潤性疾患のない生存期間(IDFS)は87.6%となった。9年時のDRFIは86.8%、IDFSは75.7%だった。

 次に、化学療法のレジメン別にみた5年時のDRFIは、TC療法92.7%、アンスラサイクリン(タキサン非併用)92.3%、アンスラサイクリン+タキサン95.1%、CMF療法88.5%、その他のレジメン95.5%となった。化学療法を行った患者と行わなかった患者のハザード比(腫瘍径やグレード、再発スコアを調整)は、0.74(95%信頼区間:0.32-1.69)となった。

 化学療法のレジメン別にみた5年時のIDFSは、TC療法88.1%、アンスラサイクリン(タキサン非併用)87.4%、アンスラサイクリン+タキサン88.6%、CMF療法84.0%、その他のレジメン91.3%となった。化学療法を行った患者と行わなかった患者のハザード比(腫瘍径やグレード、再発スコアを調整)は、0.48(95%信頼区間:0.29-0.80)となった。

 化学療法と内分泌療法を併用した場合(実測値)と内分泌療法のみの場合(推定値)を比較すると、5年時のDRFIはそれぞれ93.0%、78.8%、9年時のDRFIはそれぞれ86.8%、65.4%となった。また、5年時のIDFSは、化学療法と内分泌療法を併用した場合は88.1%、内分泌療法のみの場合は74.7%、9年時のIDFSはそれぞれ76.2%、55.3%だった。

 さらに高再発スコアの中で26-30と31-100を分けると、9年時のDRFIは、26-30の患者では化学療法+内分泌療法で88.5%、内分泌療法のみで80.6%、31-100の患者ではそれぞれ85.5%、54.0%だった。

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