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2019/10/2

進行尿路上皮癌の1次治療にアテゾリズマブ+化学療法は化学療法単独に比べPFSを有意に延長、OSも延長傾向【ESMO2019】

八倉巻尚子=医学ライター

 未治療の進行尿路上皮癌に対し、抗PD-L1抗体アテゾリズマブと化学療法の併用は、化学療法単独よりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長させ、全生存期間(OS)も延長傾向を示すことが、日本も参加しているフェーズ3試験IMvigor130試験のPFS最終解析とOS中間解析で明らかになった。9月27日から10月1日までスペイン・バルセロナで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、スペインMD Anderson Cancer Center MadridのEnrique Grande氏らが発表した。

 IMvigor130試験は、局所進行もしくは転移性の尿路上皮癌患者1213人を、アテゾリズマブと化学療法を併用する群(451人)、アテゾリズマブ単剤を投与する群(362人)、プラセボと化学療法を投与する群(400人)に割り付けて行われた。化学療法はゲムシタビンとプラチナ製剤(シスプラチンもしくはカルボプラチン)が使われた。
 
 主要評価項目は、アテゾリズマブ+化学療法群とプラセボ+化学療法群における、治験担当医師による評価のPFSとOSであった。統計学的な設定として、有意水準は片側検定でα=0.025、このうち最終的なPFS解析でITT集団におけるアテゾリズマブ+化学療法群とプラセボ+化学療法群の比較でα=0.01とした。またOSの有意水準はα=0.015とし、PFS解析で有意差が認められた場合はα=0.025とした。さらに、OSで有意差が示された場合、アテゾリズマブ単剤群とプラセボ+化学療法群のOSを比較する設定となっていた。

 患者背景は各群でバランスがとれていたが、2回の試験プロトコル改定により、シスプラチン不耐例の割合は異なり、アテゾリズマブ+化学療法群45%、プラセボ+化学療法群35%、アテゾリズマブ単剤群30%だった。化学療法としてカルボプラチンが選択された患者は70%、66%、63%だった。

 観察期間中央値は11.8カ月だった。ITT集団で、PFS中央値はアテゾリズマブ+化学療法群8.2カ月、プラセボ+化学療法群6.3カ月、ハザード比0.82(95%信頼区間:0.70-0.96)、片側検定p=0.007で、有意な差が認められた。サブグループ解析でもアテゾリズマブ+化学療法群で優れており、特にPD-L1発現が腫瘍浸潤免疫細胞(IC)2/3の患者、シスプラチン投与患者で良好だった。

 OSについては、ITT集団で、OS中央値がアテゾリズマブ+化学療法群16.0カ月、プラセボ+化学療法群は13.4カ月、ハザード比0.83(95%信頼区間:0.69-1.00)、片側検定p=0.027であり、有意差は認められない結果となった。サブグループ解析では、特にシスプラチン投与の場合にアテゾリズマブ+化学療法群が優れていた。

 またプロトコル上は正式な解析ではないが、アテゾリズマブ単剤群とプラセボ+化学療法群の比較において、ITT集団で、OS中央値はそれぞれ15.7カ月、13.1カ月で、ハザード比1.02(95%信頼区間:0.83-1.24)だった。PD-L1発現で分けると、PD-L1 IC 0/1の患者では、アテゾリズマブ単剤群のOS中央値は13.5カ月、プラセボ+化学療法群は12.9カ月、ハザード比1.07(95%信頼区間:0.86-1.33)だった。一方、PD-L1 IC 2/3患者においては、アテゾリズマブ単剤群ではOS中央値は到達せず、プラセボ+化学療法群は17.8カ月、ハザード比0.68(95%信頼区間:0.43-1.08)となった。

 奏効率(ORR)はアテゾリズマブ+化学療法群47%、プラセボ+化学療法群44%、アテゾリズマブ単剤群23%で、完全奏効の割合はそれぞれ13%、7%、6%だった。奏効期間の中央値は8.5カ月、7.6カ月、アテゾリズマブ単剤群は中央値に達していない(95%信頼区間の下限が15.9カ月)。

 アテゾリズマブ+化学療法において忍容性が認められ、安全性プロファイルは単剤での結果と一致していた。治療関連の有害事象はアテゾリズマブ+化学療法群96%、プラセボ+化学療法群96%、アテゾリズマブ単剤群60%で、治療関連の重篤な有害事象は32%、26%、12%だった。有害事象による治療中止はそれぞれ34%、34%、6%、有害事象による用量調整または投与中断は80%、78%、32%だった。

 以上の結果から、進行尿路上皮癌の1次治療として、アテゾリズマブと化学療法の併用療法は、化学療法単独に比べてPFSを延長させ、OS中間解析では臨床的意義のある改善が認められたが、有意差はなかったことから、OS最終解析まで経過観察を行うとした。

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