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2019/10/1

BRCA1/2やATM遺伝子に変異を持つmCRPC患者の2次治療でオラパリブがPFSを有意に延長【ESMO2019】

横山勇生=編集委員

 BRCA1/2ATM遺伝子に変異を有する進行去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)で、新規ホルモン療法薬(エンザルタミドやアビラテロン)投与で増悪した患者において、PARP阻害薬であるオラパリブの投与が、標準療法よりも有意に画像的な無増悪生存期間(rPFS)を延長できることが明らかとなった。フェーズ3試験であるPROfound試験の結果示された。

 9月27日から10月1日までスペイン・バルセロナで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米Northwestern University Feinberg School of MedicineのM. Hussain氏によって発表された。

 PROfound試験は、1剤の新規ホルモン治療薬で増悪したmCRPC患者で、相同組み換え修復に関連した遺伝子であるBRCA1/2、ATM、CDK12などの15遺伝子のうちの1遺伝子に変異を有する患者を対象として行われた前向き多施設オープンラベルフェーズ3試験。患者はNGSによる中央判定で遺伝子変異が同定されていた。コホートAはBRCA1、BRCA2、ATM遺伝子の変異を有する患者、コホートBは他の12の相同組み換え修復に関連した遺伝子(BRIP1、BARD1、CDK12、CHEK1、CHEK2、FANCL、PALB2、PPP2R2A、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD54L)のうちのいずれかに変異を有する患者とされた。

 コホートA、Bともに患者は、オラパリブを投与する患者群(オラパリブ群、300mgを1日2回投与)と医師の選択による新規ホルモン療法薬(エンザルタミドやアビラテロン)を投与する群(エンザルタミドの場合は1日1回160mg投与、アビラテロンの場合は1日1回1000mg投与、プレドニゾン5mgを1日2回併用投与)に2対1で割り付けられた。

 主要評価項目は、コホートAにおける盲検下独立中央判定によるrPFS(軟部組織の場合はRECISTv1.1、骨の場合はPCWG3で評価)だった。副次評価項目は、相同組み換え修復に関連した遺伝子変異を有する患者(コホートA+B)におけるrPFS、コホートAにおける盲検下独立中央判定による確定奏効率、コホートAにおける疼痛増悪までの時間、コホートAにおける全生存期間(OS)、副作用だった。なお、新規ホルモン群からオラパリブ群へのクロスオーバーが認められていた。

 2017年4月から2018年11月までに、245人がコホートA、142人がコホートBに割り付けされた。65.6%の患者にタキサン系抗癌薬の治療歴があった。データカットオフは2019年6月4日だった。

 試験の結果、主要評価項目であるコホートAにおけるrPFSの統計学的に有意な延長が認められた。コホートAのオラパリブ群(162人)のrPFS中央値は7.39カ月、新規ホルモン療法薬群(83人)のPFS中央値は3.55カ月で、ハザード比0.34(95%信頼区間:0.25-0.47)、p<0.0001だった。6カ月PFS率はオラパリブ群が59.76%、新規ホルモン療法薬群が22.63%、12カ月PFS率はオラパリブ群が28.11%、新規ホルモン療法薬群が9.40%だった。

 コホートAのrPFSのサブグループ解析の結果、オラパリブの有効性は地域、年齢、前治療歴、癌の状態(転移部位)など全てのサブグループで認められた。

 コホートAにおける確定奏効率はオラパリブ群が33.3%、新規ホルモン療法薬群が2.3%でオッズ比20.86(95%信頼区間:4.18-379.18)、p<0.0001で有意にオラパリプ群で高かった。疼痛増悪までの時間は、オラパリブ群がNR、新規ホルモン療法薬群が9.92カ月でハザード比0.44(95%信頼区間:0.22-0.91)、p=0.0192だった。OS中央値は、中間解析でオラパリブ群が18.50カ月、新規ホルモン療法薬群が15.11カ月で、ハザード比0.64(95%信頼区間:0.43-0.97)、p=0.0173だった。中間解析時点でのp値の閾値は0.01だったため、OSは有意ではなかったがオラパリブ群で良好な傾向が認められた。また、コホートAで増悪した患者の80.6%でオラパリブへのクロスオーバーが行われていた。

 コホートA+BのrPFS中央値は、オラパリブ群(256人)のrPFS中央値は5.82カ月、新規ホルモン療法薬群(131人)のPFS中央値は3.52カ月で、ハザード比0.49(95%信頼区間:0.38-0.63)、p<0.0001だった。6カ月PFS率はオラパリブ群が49.66%、新規ホルモン療法薬群が23.67%、12カ月PFS率はオラパリブ群が22.13%、新規ホルモン療法薬群が13.47%だった。コホートA+BのOS中央値は、中間解析でオラパリブ群が17.51カ月、新規ホルモン療法薬群が14.26カ月で、ハザード比0.67(95%信頼区間:0.49-0.93)、p=0.0063だった。また、増悪した患者の84.6%でオラパリブへのクロスオーバーが行われていた。

 探索的な解析で、変異のある遺伝子ごとにrPFSを調べたところ、頻度が高くてrPFSの差が大きかったのはBRCA2、CDK12だった。また、BRCA1、BRCA2以外の変異でもオラパリブによるrPFSの延長効果が認められていた。

 オラパリブの投薬には忍容性が認められ、安全性プロファイルは、他の癌種で見られるものと一般的に一致していた。

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