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2019/10/1

BRCA遺伝子変異陽性のHER2陰性進行乳癌でveliparibがPFSを有意に延長、3年PFS率は26%【ESMO2019】

森下紀代美=医学ライター

 生殖細胞系列のBRCA遺伝子(gBRCA)変異陽性のHER2陰性進行乳癌に対し、PARP1/2阻害薬veliparibをCP療法(カルボプラチン、パクリタキセル)に追加すると、CP療法のみよりも無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが、フェーズ3のBROCADE3試験から示された。Veliparibの忍容性も良好だった。9月27日から10月1日までスペイン・バルセロナで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、フランスCentre Eugene MarquisのVeronique Dieras氏が発表した。

 gBRCA1/2遺伝子変異陽性乳癌はプラチナ製剤に感受性が高く、PARP阻害薬にも感受性を持つことが知られている。PARP阻害薬とプラチナ製剤を含む化学療法の併用が検討されているが、早期の試験では骨髄抑制の悪化が課題となっていた。

 veliparibは、進行gBRCA遺伝子変異陽性乳癌患者を対象としたフェーズ2試験において、CP療法への追加による有効性と毒性の上乗せは軽度であることが示されている。

 BROCADE3試験の対象は、gBRCA1/2遺伝子変異を有するHER2陰性進行乳癌で、転移に対する細胞傷害性薬剤による治療は2レジメン以下、プラチナ製剤を含む治療は1レジメン以下で、投与終了から12カ月以内の増悪は認めない患者だった。veliparibまたはプラセボをCP療法と併用する群に、患者を2対1でランダムに割り付けた。

 治療は21日を1サイクルとし、veliparib(120mgを1日2回、-2日目から5日目)またはプラセボを、カルボプラチン(AUC6、1日目)、パクリタキセル(80mg/m2、1、8、15日目)と併用した。増悪前にカルボプラチンとパクリタキセルを毒性のため中止した場合、veliparib単剤300mgの1日2回の投与を継続し、忍容可能であれば400mgを1日2回投与した。プラセボ群の患者が増悪した場合、veliparibへのクロスオーバーは可とした。主要評価項目は試験担当医の評価によるPFSだった。層別化因子は、ホルモン受容体の発現、プラチナ製剤の投与歴、中枢神経系の転移だった。

 509人がランダムに割り付けられ、veliparibをCP療法と併用する群(veliparib群)337人、プラセボを併用する群(プラセボ群)172人となり、投与を受けたのはそれぞれ334人、170人だった。データカットオフは2019年4月5日、追跡期間中央値は各群36カ月となった。現在も投与を継続中の患者は、veliparib群67人、プラセボ群17人だった。

 患者背景は両群でバランスがとれていた。年齢中央値はveliparib群47歳、プラセボ群45歳、ERとPgRが陰性の患者はそれぞれ48%、47%、BRCA1/2遺伝子変異は53%/50%、52%/50%だった。プラチナ製剤の投与歴はveliparib群8%、プラセボ群9%、(術前)術後化学療法の治療歴はそれぞれ70%、66%、転移に対する化学療法の治療歴は両群ともに19%だった。中枢神経系転移はveliprib群5%、プラセボ群6%で認められた。

 主要評価項目であるPFS中央値は、veliparib群14.5カ月(95%信頼区間:12.5-17.7)、プラセボ群12.6カ月(95%信頼区間:10.6-14.4)、ハザード比0.705(95%信頼区間:0.566-0.877、p=0.002)となった。veliparibの効果は持続的で、24カ月時のPFS率は、veliparib群34%、プラセボ群20%、36カ月時のPFS率はそれぞれ26%、11%だった。

 独立中央判定によるPFSでは、中央値はveliparib群19.3カ月(95%信頼区間:16.5-23.3)、プラセボ群13.5カ月(95%信頼区間:12.5-16.3)、ハザード比0.695(95%信頼区間:0.537-0.899、p=0.005)となった。24カ月時のPFS率は、veliparib群44%、プラセボ群27%、36カ月のPFS率はそれぞれ37%、20%だった。

 試験担当医の評価によるPFSのサブグループ解析では、中枢神経系転移を有するグループ(26人)を除き、全てにおいてveliparibが優れていた。

 副次的評価項目のOSの中間解析では、中央値はveliparib群33.5カ月(95%信頼区間:27.6-37.9)、プラセボ群28.2カ月(95%信頼区間:24.7-35.2)、ハザード比0.945(95%信頼区間:0.729-1.225、p=0.666)で有意差はなかった。プラセボ群に割り付けられた患者の44%がクロスオーバーしている。

 奏効率は、veliparib群75.8%、プラセボ群74.1%、24週時のCBR(完全奏効、部分奏効、安定状態)はそれぞれ90.7%、93.2%となった。奏効期間中央値は、veliparib群14.7カ月、プラセボ群11.0カ月だった。

 PFS2中央値は、veliparib群21.3カ月、プラセボ群17.4カ月、ハザード比0.760(95%信頼区間:0.603-0.959、p=0.020)となった。

 veliparibは、CP療法の毒性プロファイルを変えないことも示された。グレード3以上の好中球減少症はveliparib群81%、プラセボ群84%、血小板減少症はそれぞれ40%、28%、貧血は42%、40%、嘔気はそれぞれ6%、4.1%に発現した。投与中止につながった有害事象の発生は、veliparib群9.2%、プラセボ群5.3%だった。

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