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2019/09/29

PD-L1陽性NSCLCの1次治療でイピリムマブとニボルマブの併用療法は化学療法に比べて生存期間を延長【ESMO2019】

横山勇生=編集委員

 PD-L1が1%以上発現した進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対する1次治療として、低用量イピリムマブニボルマブの併用療法が、化学療法に比べて有意に全生存期間(OS)を延長することが明らかとなった。フェーズ3試験であるCheckMate-227試験のパート1aの結果によるもの。また探索的な解析だが、PD-L1が陰性の患者、全患者でも低用量イピリムマブとニボルマブの併用療法で、化学療法よりもOSが延長していることが認められた。

 9月27日から10月1日までスペイン・バルセロナで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、スイスCentre Hospitalier UniversitaireVaudois-CHUVのS. Peters氏によって発表された。

 CheckMate-227パート1試験は、非扁平上皮癌、扁平上皮癌の組織型を含む未治療の進行NSCLC患者を対象にした非盲検フェーズ3試験。パート1a、パート1bから構成されている。パート1aにおいてはPD-L1陽性患者(1%以上)1189人を、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群、ニボルマブ単剤療法群、化学療法群に1対1対1に割り付けて評価した。パート1bにおいてはPD-L1陰性患者550人を、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群、ニボルマブと化学療法の併用療法群、化学療法群に1対1対1に割り付けて評価した。化学療法は白金系抗癌薬を含む組織型に基づいた2剤併用療法だった。EGFR変異とALK転座がある患者は除かれていた。また患者は非扁平上皮癌と扁平上皮癌で層別化されていた。

 ニボルマブとイピリムマブの併用療法群には、2週間おきにニボルマブ3mg/kg、6週間おきにイピリムマブ1mg/kgが投与された。ニボルマブ単剤療法群には、2週間おきにニボルマブ240mgが投与された。ニボルマブと化学療法の併用療法群には、化学療法に加えて3週間おきにニボルマブ360mgが投与された。化学療法は、非扁平上皮癌の場合はシスプラチンもしくはカルボプラチンとペメトレキセド、扁平上皮癌の場合はシスプラチンもしくはカルボプラチンとゲムシタビンが投与された。

 パート1には2つの主要評価項目が設定されていた。1つはパート1aに組み入れられた患者で評価するPD-L1発現陽性患者におけるOS。もう1つは、パート1aと1bに組み入れられた患者で評価した腫瘍遺伝子変異量(TMB)10mut/Mb以上の患者における盲検下独立中央判定による無増悪生存期間(PFS)だった。TMB10mut/Mb以上の患者において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群が化学療法群よりも有意にPFSを延長することは既に報告されていた。

 最短観察期間中央値が29.3カ月(データベースロックは2019年7月2日)で、PD-L1陽性患者(パート1a)におけるニボルマブとイピリムマブの併用療法群(396人)のOS中央値は17.1カ月、化学療法群(397人)は14.9カ月で、ハザード比0.79(97.72%信頼区間:0.65-0.96)、p=0.007で有意にニボルマブとイピリムマブの併用療法群で延長していた。なお、ニボルマブ単剤療法群(396人)のOS中央値は15.7カ月、化学療法群に対するハザード比は0.88(95%信頼区間:0.75-1.04)で有意な差はなかった。1年OS率はニボルマブとイピリムマブの併用療法群が63%、化学療法群が56%、ニボルマブ単剤療法群が57%、2年OS率はニボルマブとイピリムマブの併用療法群が40%、化学療法群が33%、ニボルマブ単剤療法群が36%だった。

 盲検下独立中央判定によるPFS中央値は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群が5.1カ月、化学療法群は5.6カ月で、ハザード比0.82(95%信頼区間:0.69-0.97)だった。ニボルマブ単剤療法群のPFS中央値は4.2カ月(95%信頼区間:3.0-5.3)、ハザード比0.99(95%信頼区間:0.84-1.17)だった。

 奏効率は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群が35.9%、化学療法群は30.0%、ニボルマブ単剤療法群が27.5%、奏効期間中央値は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群が23.2カ月(95%信頼区間:15.2-32.2)、化学療法群は6.2カ月(95%信頼区間:5.6-7.4)で、ニボルマブ単剤療法群が15.5カ月(95%信頼区間:12.7-23.5)だった。1年DOR率は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群が64%、化学療法群は28%、ニボルマブ単剤療法群が63%、2年DOR率は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群が49%、化学療法群は11%、ニボルマブ単剤療法群が40%で、免疫チェックポイント阻害薬を用いている群の効果は持続的だった。

 また、PD-L1発現が50%以上の患者に限定すると、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群(205人)のOS中央値は21.2カ月、化学療法群(192人)は14.0カ月で、ハザード比0.70(95%信頼区間:0.55-0.90)となった。ニボルマブ単剤療法群(214人)のOS中央値は18.1カ月、化学療法群に対するハザード比は0.79(95%信頼区間:0.63-1.01)で、免疫チェックポイント阻害薬が含まれる群の効果が高まった。奏効率、PFS、DORも同様だった。

 一方、PD-L1陰性患者(パート1b)におけるニボルマブとイピリムマブの併用療法群(187人)のOS中央値は17.2カ月、化学療法群(186人)は12.2カ月で、ハザード比0.62(95%信頼区間:0.48-0.78)だった。ニボルマブと化学療法併用群(177人)のOS中央値は15.2カ月、ハザード比0.78(97.72%信頼区間:0.60-1.02)、p=0.0352だった。奏効率はニボルマブと化学療法併用群が最も高かったが、DOR中央値はニボルマブとイピリムマブの併用療法群が最も長かった。

 PD-L1の発現に関わらず全患者におけるOS中央値は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群(583人)は17.1カ月、化学療法群(583人)は13.9カ月、ハザード比0.73(95%信頼区間:0.64-0.84)だった。

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