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2019/09/28

切除不能局所進行膵癌のコンバージョン率はnab-パクリタキセル/ゲムシタビンとFOLFIRINOXで差がない可能性【ESMO2019】

横山勇生=編集委員

 切除不能な局所進行膵管腺癌(PDAC:pancreatic ductal adenocarcinoma)に対する導入化学療法としてnab-パクリタキセル/ゲムシタビンの投与を行い、その後にnab-パクリタキセル/ゲムシタビンを継続して投与する場合とFOLFIRINOXに切り替えて投与する場合では、切除が可能になる率(コンバージョン率)に差がない可能性が示された。奏効率など他の有効性の指標でも有意な差はつかなかった。一方、探索的な開腹をした後に2次的切除を行うことは、全生存期間の延長と関連する可能性も示された。多施設無作為化フェーズ2試験であるNEOLAP試験の結果明らかになった。

 9月27日から10月1日までスペイン・バルセロナで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、ドイツUniversity Clinic Wurzburg-Medizinische Klinik und Poliklinik II Zentrum fuer Innere Medizin (ZIM)のV. Kunzmann氏によって発表された。

 NEOLAP試験(AIO-PAK-0113試験)は、切除不能PDACに対するnab-パクリタキセル/ゲムシタビンまたはFOLFIRINOXベースの導入化学療法の効果、安全性、実施可能性を評価するために行われた前向き無作為化オープンラベルフェーズ2試験。ドイツの33施設で実施された。nab-パクリタキセル/ゲムシタビンの投与を2サイクル受け、増悪や受容不能な副作用が発現しなかった患者を、さらに2サイクルのnab-パクリタキセル/ゲムシタビン投与を受ける群(A群)とFOLFIRINOXを4サイクル受ける群(B群)に割り付けて行われた。2次的切除の可能性は、増悪にならなかった患者を探索的に開腹して判断した。

 主要評価項目はコンバージョン率(R0/R1)。副次評価項目は、安全性、奏効率/病勢コントロール率(DCR)、CA19-9における効果、病理学的な効果、無再発生存期間(RFS)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などだった。

 試験には168人が登録され、130人が無作為にA群(64人)とB群(66人)に割り付けられた。患者背景はA群で男性が多い以外は有意な差はなかった。

 試験の結果、A群は40人、B群は42人が外科的な探索を受けた。コンバージョン率はA群が30.6%(95%信頼区間:19.6-30.6)、B群が45.0%(95%信頼区間:19.6-43.7)でオッズ比は0.54(95%信頼区間:0.26-1.13)、p=0.135で有意な差はなかった。R0切除はA群が68%、B群が74%だった。全体としては最初の2サイクルのnab-パクリタキセル/ゲムシタビンを投与された患者165人のうち46人(27.9%)で切除ができた。

 副次評価項目である奏効率/DCR、PFS、CA19-9における効果、病理学的な効果、探索的な開腹が行われた割合、術後の死亡率も両群で有意な差はなかった。

 また、観察期間中央値13.8カ月で、OS中央値はA群が17.2カ月、B群が22.5カ月だった。調整後ハザード比は0.73(95%信頼区間:0.42-1.28)、p=0.268で有意な差はなかった。

 一方、ITT(165人)において、コンバージョンができたことは有意なOSの改善と関係していた。コンバージョンができた患者でのOS中央値は27.4カ月、できなかった患者で14.2カ月、ハザード比0.45(95%信頼区間:0.26-0.78)でp=0.0035だった。

 グレード3以上の副作用はA群の54.7%、B群の53.0%に発現した。A群、B群ともに忍容性が認められ、安全性プロファイルは過去に報告されたものと一致していた。

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