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2019/9/18

子宮内膜癌を対象にレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法が米国などで迅速承認

横山勇生=編集委員

 エーザイと米Merck社は9月18日、全身療法後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応な高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high:MSI-H)を有さない、またはミスマッチ修復機構欠損(mismatch repair deficient:dMMR)を有さない子宮内膜癌を対象に、米国とオーストラリアで経口マルチキナーゼ阻害薬レンバチニブと抗PD-1抗体ペムブロリズマブの併用療法が承認されたと発表した。また、カナダでは承認を可能とする通知を取得した。子宮内膜癌に対するキナーゼ阻害薬と抗PD-1抗体との併用療法が承認されたのは初めて。

 今回の米国などでの承認は、フェーズ2試験である111/KEYNOTE-146試験の子宮内膜癌コホートの結果に基づくもの。主要評価項目は奏効率と奏効期間(DOR)だった。米国での承認は、リアルタイムオンコロジーレビュー(Real-Time Oncology Review:RTOR)パイロットプログラムの下で迅速承認された。RTORは、安全で有効な治療法をできる限り早く患者に届けることを目的とし、より効率的な承認審査を追求した制度。RTORを適用することで、正式な申請前から米食品医薬品局(FDA)による試験データの審査が開始される。本承認については、別に検証試験が必要となる。

 また、今回の承認は、各国の規制当局間における抗癌薬の同時申請・同時審査を可能とするためのFDA Oncology Center of Excellence が主導する「プロジェクトOrbis」のもとで審査された。この結果、FDA、オーストラリア医療製品管理局とカナダ保健省が共同で審査を行い、これら3カ国で承認に対する意志決定が同時に行われた。

 111/KEYNOTE-146試験は、多コホート、多施設共同、非盲検、単群の臨床試験。子宮内膜癌コホートには、全身療法後に増悪した子宮内膜癌患者108人が登録された。免疫不全または免疫抑制治療を受けている患者は除外されていた。患者には、レンバチニブ1日1回20mgを経口投与し、3週ごとにペムブロリズマブ200mgが点滴静注された。投薬は、忍容できない毒性の発現または疾患の進行が認められるまで行われたが(ペムブロリズマブの投与は最長で24カ月)、患者が臨床的に安定し、治験担当医により臨床的な有益性が得られていると判断された場合には、RECIST基準で病勢進行と判定された患者に対しても、併用療法の継続が認められていた。

 子宮内膜癌コホートに登録された患者のうち、87%(94人)はMSI-H/dMMR を有さない患者、10%(11人)はMSI-H/dMMR を有する患者で、3%(3人)はMSI-H/dMMR の状態が不明だった。MSI-H/dMMR を有さない患者94人の背景は、年齢中央値が66歳、62%が65歳以上だった。また、白人86%、黒人6%、アジア人4%、その他の人種3%だった。日本人は含まれていない。全員が子宮内膜癌について全身療法歴があり、治療歴数が1レジメンは51%、2レジメンは38%、3レジメン以上は11%だった。

 試験の結果、観察期間中央値がは18.7カ月で、MSI-H/dMMRを有さない患者94人での奏効率は38.3%(95%信頼区間:29-49)で、完全奏効は10.6%(10人)、部分奏効は27.7%(26人)だった。データカットオフ時点で69%の患者で少なくとも6カ月以上のDORが達成され、DORの中央値は未到達(1.2+-33.1+) だった。

 3%の患者に消化管穿孔、脳室内出血を伴う可逆性後白質脳症症候群、頭蓋内出血を含む致死的有害事象が認められた。また、併用療法で52%の患者に重篤な有害事象が認められた。併用療法における重篤な有害事象(3%以上)は、高血圧(9%)、腹痛(6%)、筋骨格系筋肉痛(5%)、出血(4%)、疲労(4%)、悪心(4%)、錯乱状態(4%)、胸水(4%)、副腎機能不全(3%)、大腸炎(3%)、呼吸困難(3%)、発熱(3%)だった。

 日本においては、111/KEYNOTE-146試験と同様のフェーズ1b試験が実施されている。

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