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2019/9/11

EGFR-TKI抵抗性のEGFR変異陽性進行NSCLCに抗HER3抗体-薬物複合体U3-1402が有用な可能性【WCLC2019】

横山勇生=編集委員

 EGFR-TKI抵抗性となったEGFR変異陽性進行非小細胞肺癌(NSCLC)に、抗HER3抗体-薬物複合体U3-1402が有用である可能性が明らかとなった。進行中のフェーズ1試験の用量漸増パートの予備的な解析で、忍容性が確認され抗腫瘍効果も認められた。9月7日から10日までスペイン・バルセロナで開催されたIASLC 20th World conference on Lung Cancer(WCLC2019)で、米Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのHelena A Yu氏によって発表された。

 U3-1402は、抗HER3抗体にトポイソメラーゼI阻害薬を8個結合させた製剤。

 フェーズ1試験は、局所進行または転移を有するNSCLCでEGFR-TKI抵抗性となったEGFR変異陽性患者を対象に行われている。第1世代、第2世代EGFR-TKIで増悪しT790M変異陰性の患者か、オシメルチニブ投与で増悪した患者が対象で、安定した脳転移を有する患者は適格とされた。U3-1402は3週おきに静脈内投与され、レトロスペクティブにHER3を免疫組織化学的染色法で解析するために、投与前に腫瘍検体が採取された。腫瘍組織がある患者はNGSによる解析が行われた。用量漸増パートの主要目的は、安全性、忍容性、拡大パートのための推奨用量の決定、副次目的は抗腫瘍効果、探索的目的はバイオマーカーだった。

 2019年5月までに30人が4段階の投与量から構成される用量漸増パートに登録された。3.2mg/kgに4人、4.8mg/kgに9人、5.6mg/kgに12人、6.4mg/kgに5人。43%にあたる13人で投薬が中止されていた。9人が増悪、1人が臨床的進行、2人が同意撤回、1人が副作用によるものだった。

 30人全員がEGFR-TKIの投与歴を有し、28人(93%)はオシメルチニブの投与歴があり、15人(50%)は化学療法歴があった。全員でEGFRの活性化変異があり、del19が57%、L858Rが40%、L861Qが3%だった。評価可能だった25件の腫瘍検体すべてでHER3の発現があった。HER3のH-スコア中央値は183(56-290)。中枢系の転移歴があったのは、15人(50%)だった。

 投薬中に発現した副作用は29人(97%)で報告され、13人(43%)はクレード3/4の副作用を経験した(薬剤関連は13%)。5.6mg/kg群の1人で2件の用量制限毒性(グレード3の発熱性好中球減少症、グレード4の血小板減少症)、6.4mg/kgの3人で3件の用量制限毒性(全てグレード4の減少症)が認められた。拡大パートの推奨用量は5.6mg/kgとなった。

 抗腫瘍効果の評価が可能だった26人で、22人に腫瘍の縮小がみられた。腫瘍サイズの最大変化率の中央値は-25.7%(13.3%から-82.6%)で、6人は部分奏効が得られた。抗腫瘍効果は、複数の抵抗機構に横断的に認められた。中枢系の転移歴の有無に関わらず持続的な効果が認められた。現在、拡大パートが行われている。

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