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2019/9/10

NSCLCの1次治療としてラムシルマブ+ペムブロリズマブが有望、PD-L1高発現例でより高い効果【WCLC2019】

森下紀代美=医学ライター

 非小細胞肺癌(NSCLC)患者の1次治療として、ラムシルマブペムブロリズマブの併用療法は管理可能な安全性プロファイルを有し、PD-L1高発現例で高い抗腫瘍効果が得られる可能性が、フェーズ1のJVDF試験の拡大コホートの検討から示された。2019年9月7日から10日までスペイン・バルセロナで開催されている2019 World Conference on Lung Cancer(WCLC2019)で、米Yale Cancer CenterのRoy S. Herbst氏が発表した。

 ラムシルマブによるVEGFR-2の遮断とペムブロリズマブによるPD-1の遮断を同時に行うことにより、抗腫瘍効果が得られることが近年のデータから示唆されている(HT Arkenau, et al. Oncologist 2018)。

 JVDF試験では、局所進行・切除不能または転移を有する胃/食道胃接合部腺癌、NSCLC、尿路上皮癌、胆道癌を対象に、ラムシルマブ+ペムブロリズマブの安全性と有効性を評価している。今回は、NSCLCに対する1次治療として、ラムシルマブ+ペムブロリズマブを投与した患者のデータが報告された。

 対象は、未治療で、PD-L1陽性、組織病理学的に非扁平上皮型または扁平上皮型のNSCLCであることが確認されている患者だった。治療は21日を1サイクルとし、ラムシルマブ10mg/kgとペムブロリズマブ200mgを1日目に投与し、疾患の増悪またはその他の理由による中止まで、最大35サイクル継続した。奏効と増悪はRECIST v1.1で評価した。PD-L1はPD-L1 IHC 22C3 pharmDxアッセイを用いて評価し、PD-L1陽性はTPS(Tumor Proportion Score)が1%以上の場合と定義した。主要評価項目は安全性、重要な副次的評価項目は奏効率、病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)だった。データカットオフ日は2019年4月21日とした。

 2018年8月31日の時点において、26人が投与を受けた。ベースラインの患者背景では、年齢中央値は63歳(範囲:42-85)、女性が53.8%、白人が84.6%を占めた。PD-L1 TPSが50%以上の患者は16人(61.5%)、1-49%の患者は9人(34.6%)、1%未満の患者が1人(3.8%)含まれた。組織型は、腺癌17人(65.4%)、大細胞癌2人(7.7%)、非小細胞癌NOS(not otherwise specified) 3人(11.5%)、扁平上皮癌3人(11.5%)などだった。転移を有する患者が76.9%を占めた。

 追跡期間中央値は23.5カ月(範囲:3.2-28.1)だった。

 奏効率は、全対象では42.3%、完全奏効(CR)は3.8%、部分奏効(PR)は38.5%、DCR(CR+PR+安定状態)は84.6%となった。TPS 1-49%の患者の奏効率は22.2%、CRは0%、PRは22.2%、DCRは88.9%、TPS 50%以上の患者ではそれぞれ56.3%、6.3%、50%、87.5%となった。

 PFS中央値は、全対象では9.3カ月(95%信頼区間:4.0-未到達)、TPS 1-49%の患者では4.2カ月(95%信頼区間:1.2-未到達)、TPS 50%以上の患者では未到達(95%信頼区間:4.0-未到達)となった。12カ月および18カ月のPFS率は、全対象ではそれぞれ45%、45%、TPS 1-49%の患者では33%、33%、TPS 50%以上の患者では56%、56%となった。

 OSの追跡期間中央値は、TPS 1-49%の患者では24.8カ月、TPS 50%以上の患者では21.2カ月だった。OS中央値は、全対象では未到達(95%信頼区間:13.2-未到達)、TPS 1-49%の患者でも未到達(95%信頼区間:3.2-未到達)、TPS 50%以上の患者でも未到達(95%信頼区間:11.3-未到達)となった。12カ月および18カ月のOS率は、全対象ではそれぞれ73%、64%、TPS 1-49%の患者では67%、53%、TPS 50%以上の患者では75%、68%となった。

 有害事象はラムシルマブ、ペムブロリズマブの知見と一致しており、新たな毒性はみられなかった。10人(38.5%)にグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)が発現し、多く観察されたグレード3以上のTRAEは、高血圧(15.4%)、急性心筋梗塞(7.7%)だった。TRAEにより投与を中止した患者は1人(3.8%)だった。グレード3以上のうっ血性心不全が発生した1人(3.8%)が試験期間中に死亡し、試験治療薬と関連する可能性があった。

 Herbst氏は、ペムブロリズマブ単剤を進行NSCLCの1次治療として評価したKEYNOTE-042試験のデータを参照し、TPS 50%以上の患者のOS中央値は20.0カ月、24カ月OS率は44.7%、TPS 1-49%の患者ではそれぞれ13.4カ月、34.6%であった(G.Lopes, et al. ASCO2018)と紹介した。JVDS試験では、24カ月OS率はTPS 50%以上の患者で68%、TPS 1-49%の患者で53%となった。

 これらの結果から、Herbst氏は「PD-L1陽性のNSCLC患者に対する1次治療として、ラムシルマブ+ペムブロリズマブは有用であることが示唆される」と話した。

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