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2019/7/7

既治療のBRAF変異陽性進行大腸癌にビニメチニブ、エンコラフェニブ、セツキシマブの併用が有効【WCGC2019】

横山勇生=編集委員

 治療歴数が1または2のBRAF V600E変異陽性の進行大腸癌に対して、MEK阻害薬ビニメチニブBRAF阻害薬エンコラフェニブと抗EGFR抗体セツキシマブの併用が、セツキシマブとイリノテカンを含むレジメンよりも有意に奏効率と全生存期間(OS)を改善したことが明らかとなった。フェーズ3試験であるBEACON CRC試験の中間解析の結果示された。予後が悪いことで知られるBRAF変異陽性進行大腸癌に、新たな治療手段が登場することになる。

 7月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催されたthe ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019(WCGC2019)で、米UT MD Anderson Cancer CenterのS Kopetz氏によって発表された。

 BEACON CRC試験は、世界規模(北米、南米、欧州、日本を含むアジアパシフィック領域の、200以上の施設)で行われている無作為化オープンラベルフェーズ3試験。治療歴数が1または2のBRAF V600E変異陽性の進行大腸癌患者を対象に、ビニメチニブ、エンコラフェニブとセツキシマブの3剤併用療法の有効性を評価するために実施された。

 試験は、エンコラフェニブ、ビニメチニブ、セツキシマブの3剤併用群、エンコラフェニブとセツキシマブの2剤併用群、イリノテカンベース(イリノテカンもしくはFOLFIRIは医師選択)の治療とセツキシマブを投与する対照群の3群で行われている。665人が無作為に3剤併用群(224人)、2剤併用群(220人)、対照群(221人)に割り付けられた。患者はECOG PS 0と1、イリノテカンの使用の有無、セツキシマブの由来(米国と欧州)で層別化されていた。最終患者の登録は2019年1月31日だった。

 主要評価項目は、3剤併用群と対照群のOSと、無作為化割り付けの最初から330人までの患者における盲検下中央判定による奏効率の比較だった。当初はOSのみだったが、奏効率も加えられた。副次評価項目は、2剤併用群と対照群のOSの比較、無増悪生存期間(PFS)、奏効期間、安全性などだった。

 データベースカットオフは、2019年2月11日で、OSの観察期間中央値は7.8カ月だった。

 試験の結果、OS中央値は、3剤併用群が9.0カ月(95%信頼区間:8.0-11.4) 、対照群が5.4カ月(95%信頼区間:4.8-6.6) でハザード比0.52(95%信頼区間:0.39-0.70)、p<0.0001で有意に3剤併用群で長かった。サブグループ解析もすべてで3剤併用群が優位だった。

 2剤併用群のOS中央値は8.4カ月(95%信頼区間:7.5-11.0)で、対照群に対するハザード比0.60(95%信頼区間:0.45-0.79)、p=0.0003だった。

 3剤併用群と2剤併用群のOSを比較すると、全無作為化患者対象の解析でハザード比0.79(95%信頼区間:0.59-1.06)だった。最初の登録から331人までの解析は、ハザード比0.74(95%信頼区間:0.53-1.04)だった。カプランマイヤー曲線は、全無作為化患者の場合よりも最初の登録から331人までの解析の方が両曲線の間がより開いていた。

 無作為化開始後331人までの患者に対する盲検下独立審査委員会による評価で、3剤併用群の奏効率が26%(95%信頼区間:18-35)、対照群が2%(95%信頼区間:1未満-7)で、有意に3剤併用群で高かった(p<0.0001)。2剤併用群の奏効率は20%(95%信頼区間:13-29)で有意に対照群よりも2剤併用群で高かった(p<0.0001)。治療歴数が1の患者においては、奏効率は3剤併用群で34%、2剤併用群で22%、対照群で2%だった。

 PFS中央値は3剤併用群が4.3カ月(95%信頼区間:4.1-5.2) 、対照群が1.5カ月(95%信頼区間:1.5-1.7)でハザード比は0.38(95%信頼区間:0.29-0.49)、p<0.0001で有意に3剤併用群で長かった。2剤併用群のOS中央値は4.2カ月(95%信頼区間:3.7-5.4)で、対照群に対するハザード比は0.40(95%信頼区間:0.31-0.52)、p<0.0001だった。

 3剤併用レジメンと2剤併用レジメンは一般的に忍容性が認められ、想定外の毒性は認められなかった。安全性プロファイルは、BRAF阻害薬、MEK阻害薬、抗EGFR抗体で認められているものと同様だった。 グレード3以上の副作用は、3剤併用群の58%、2剤併用群の50%、対照群の61%に認められた。

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