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2019/7/6

大腸癌でNKG2Dリガンド標的CAR-T細胞療法は自家細胞、同種細胞ともにFOLFOXとの併用で有望【WCGC2019】

八倉巻尚子=医学ライター

 進行大腸癌において、NK細胞に発現するNKG2Dのリガンドを標的としたキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法(CAR-T細胞療法)はFOLFOXとの併用で、自家細胞を用いた場合も、同種細胞を用いた場合も、安全に投与でき、効果も期待できる可能性がフェーズ1試験で明らかになった。ベルギーUniversity Hospitals Gasthuisberg/ University of LeuvenのEric Van Cutsem氏らが、7月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催されているthe ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019(WCGC2019)で発表した。

 CD19特異的CAR-T細胞療法をはじめ、CAR-T細胞療法は血液癌では有効性が示されているが、固形癌ではこれまで十分な有効性が示されていない。

 NKG2DはNK細胞に発現する活性型受容体。広く腫瘍細胞に発現する8つのリガンドと結合する。これらのリガンドは正常細胞には存在しない。NKG2Dを用いるCART-T療法は自家細胞によるCYAD-01と、同種細胞によるCYAD-101が開発されている。CYAD-101には同種反応を避けるためのTCR拘束性分子(TIM)を共発現させている。またFOLFOXは大腸癌細胞においてNKG2Dのリガンド発現を誘導するといわれている。

 フェーズ1試験は自家細胞のSHRINK試験と同種細胞のalloSHRINK試験が行われた。

 SHRINK試験は、切除可能な肝転移を有する大腸癌で1次治療としてFOLFOX治療を受けた患者、もしくは切除不能大腸癌でFOLFOXおよび/もしくはFOLFIRIを含む治療歴のある患者を対象に行われた。FOLFOXは6サイクル投与した。CYAD-01は2週おきに3回投与とし、FOLFOXの2、3、4サイクル目の3日目に投与した。

 alloSHRINK試験は、切除不能大腸癌でFOLFOXおよび/もしくはFOLFIRIを含む治療歴のある患者を対象に行われた。この試験ではアフェレーシスは行わない。FOLFOXは6サイクル投与した。CYAD-101は2週おきに3回投与とし、FOLFOXの1、2、3サイクル目の3日目に投与した。

 CYAD-01とCYAD-101は3つの用量で投与された。用量レベル1(1×108)、用量レベル2(3×108)、用量レベル3(1×109)の3+3デザインで試験は行われた。

 SHRINK試験に、9人が登録し、合計で36回の投与が行われた。用量制限毒性は見られなかった。有害事象は6人に見られ、グレード3は1人(貧血)だった。サイトカイン放出症候群(CRS)はグレード1が2人だった。このほかの有害事象は注射部位反応、発熱、倦怠感、心房頻脈などだった。

 alloSHRINK試験には2つの用量レベルに6人が登録し、合計で17回の投与が行われた。有害事象は1人に見られ、腹痛、下痢、食欲不振であった。この試験でGvHD(移植片対宿主病)は認められなかった。

 効果について、SHRINK試験で、用量レベル1では3人中1人がPR(術前化学療法あり)、2人が3 カ月以上のSD(術前化学療法あり)だった。用量レベル2では3人中2人が3 カ月以上のSD、1人がPDだった。用量レベル3では3人中2人が3 カ月以上のSD、1人がPD(術前化学療法あり)だった。alloSHRINK試験では、用量レベル1で3人中1人がPR、2人はPD、用量レベル2では3人中3人が3 カ月以上のSDだった。

 これらの結果から良好な安全性プロファイルを示したとした。また予備的な結果ではあるが、FOLFOXなどの治療歴がある患者も含め、CYAD-01とCYAD-101のどちらも抗腫瘍効果が得られる可能性が示され、同種細胞のCYAD-101のほうが良い傾向も示唆されたとした。

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