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2019/7/6

mCRCに対するFOLFOXIRI+ベバシズマブは年齢や性別に関わらず有効性が高い治療選択肢【WCGC2019】

森下紀代美=医学ライター

 切除不能・再発大腸癌(mCRC)に対するFOLFOXIRIベバシズマブは、FOLFOX+ベバシズマブやFOLFIRI+ベバシズマブと比べて、性別や年齢に関わらず、抗腫瘍効果が高い治療選択肢であることが、TRIBE試験TRIBE2試験の統合解析で確認された。ただし、高齢者ではグレード3-4の下痢や発熱性好中球減少症、女性では嘔気・嘔吐の頻度が高く、適切な対応が必要であることも示された。7月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催されているESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019(WCGC2019)で、イタリアAzienda Ospedaliero-Universitaria PisanaのGemma Zucchelli氏が発表した。

 FOLFOXIRI+ベバシズマブは、mCRCに対する重要な1次治療の選択肢となっている。根拠となったのはフェーズ3のTRIBE試験とTRIBE2試験で、計1187人の患者は、1次治療としてFOLFOXIRI+ベバシズマブ、FOLFIRI+ベバシズマブ(TRIBE試験)またはFOLFOX +ベバシズマブ(TRIBE2試験)を行う群にランダムに割り付けられた。これらの試験では、71-75歳、ECOG PS 2の患者も対象に含まれた。

 今回の統合解析の目的は、TRIBE試験とTRIBE2試験において、1次化学療法の背景が有効性と安全性に及ぼす影響を検討することだった。奏効率、無増悪生存期間(PFS)、安全性について、年齢(70歳未満 vs 70-75歳)と性別(男性 vs 女性)によるサブグループ解析を行った。OSについては、TRIBE2試験でimmatureのため解析に含まれなかった。

 ITT解析対象1187人のうち、70歳未満は1005人(85%)、70-75歳は182人(15%)、男性は603人(58%)、女性は494人(42%)だった。

 解析の結果、1次化学療法の有効性は、年齢や性別によるサブグループに非依存性であることが示された。

 年齢でみた奏効率は、70歳未満の患者では、FOLFOX/FOLFIRI(Doublet)+ベバシズマブ群(511人)52.8%、FOLFOXIRI+ベバシズマブ群(494人)63.6%、オッズ比1.53(95%信頼区間:1.19-1.97)、70-75歳の患者では、Doublet+ベバシズマブ群(85人)47.0%、FOLFOXIRI+ベバシズマブ群(97人)61.9%、オッズ比1.75(95%信頼区間:0.97-3.15)、p=0.554となった。PFS中央値は、70歳未満の患者ではそれぞれ9.6カ月、12.1カ月、ハザード比0.75(95%信頼区間:0.66-0.86)、70-75歳の患者ではそれぞれ10.1カ月、12.0カ月、ハザード比0.82(95%信頼区間:0.60-1.11)、p=0.520となった。

 性別でみた奏効率は、男性では、Doublet+ベバシズマブ群(362人)52.2%、FOLFOXIRI+ベバシズマブ群(331人)61.9%、オッズ比1.49(95%信頼区間:1.10-2.02)、女性では、Doublet+ベバシズマブ群(234人)51.7%、FOLFOXIRI+ベバシズマブ群(260人)65.0%、オッズ比1.73(1.21-2.49)、p=0.527となった。PFS中央値は、男性ではそれぞれ9.7カ月、12.0カ月、ハザード比0.77(95%信頼区間:0.66-0.90)、女性ではそれぞれ10.0カ月、12.7カ月、ハザード比0.78(95%信頼区間:0.65-8.95)、p=0.870となった。

 安全性解析対象集団1175人では、70歳未満の患者と比べて70-75歳の患者において、化学療法に関連するグレード3-4の有害事象、グレード3-4の下痢、全グレードの発熱性好中球減少症が多く発現した。また、男性と比べて女性において、化学療法に関連するグレード3-4の有害事象、全グレードおよびグレード3-4の嘔気と嘔吐が多く発現した。ただし、ベバシズマブに関連するグレード3-4の有害事象は、年齢や性別による差はみられなかった。

 FOLFOXIRI+ベバシズマブ群の70-75歳の患者(96人)で多く観察された有害事象として、グレード3-4の下痢が27%、全グレードの発熱性好中球減少症が16%に発現した。70歳未満の患者(490人)ではそれぞれ17%、6%だった。これらの有害事象は、Doublet+ベバシズマブ群の70-75歳の患者(84人)ではそれぞれ8%、5%、70歳未満の患者(505人)ではそれぞれ8%、4%だった。

 また、FOLFOXIRI+ベバシズマブ群の女性(260人)で多く観察された有害事象として、全グレードの嘔気が67%、全グレードの嘔吐が50%に発現した。男性(326人)ではそれぞれ60%、34%だった。これらの有害事象は、Doublet+ベバシズマブ群の女性(231人)ではそれぞれ63%、32%、男性(358人)ではそれぞれ51%、24%だった。

 Zucchelli氏は「FOLFOXIRI+ベバシズマブでは、グレード3-4の下痢や発熱性好中球減少症の発現頻度が高く、前向きの確認は行われていないものの、高齢者では減量やG-CSF 1次予防的投与が適切と考えられる」と話すとともに、女性では嘔気・嘔吐を慎重に管理する必要があるとした。

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