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2019/7/5

TAS-118とオキサリプラチンの併用はS-1とシスプラチンの併用よりも進行胃癌の生存期間を延長【WCGC2019】

横山勇生=編集委員

 HER2陰性進行胃癌に対する1次治療として、TAS-118S-1ロイコボリンを配合した薬剤)とオキサリプラチンの併用療法は、標準療法であるS-1とシスプラチンの併用療法よりも有意に全生存期間(OS)を延長できることが明らかとなった。日本と韓国で行われたオープンラベル無作為化フェーズ3試験であるSOLAR試験の結果示された。

 7月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催されているthe ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019(WCGC2019)で、韓国Asan Medical CenterのYoon-Koo Kang氏によって発表された。

 SOLAR試験は、HER2陰性または不明で全身状態の良い進行胃・胃食道接合部癌を対象に行われた。患者はTAS-118とオキサリプラチンを投与する群(TAS-118群)と、S-1とシスプラチンを併用投与する群(S-1群)に1対1で無作為に割り付けられた。患者はECOG PSが0と1、測定可能病変の有無、国(日本と韓国)で層別化されていた。

 TAS-118群の患者には、2週間を1サイクルとして、TAS-118は1日目から7日目まで、40mgから60mgを1日2回投与し、1日目にオキサリプラチン85mg/m2が投与された。S-1群の患者には5週間を1サイクルとして、S-1は1日目から21日目まで、40mgから60mgを1日2回投与し、シスプラチンは1日目(韓国)か8日目(日本)に60mg/m2が投与された。主要評価項目はOS。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、治療成功期間(TTF)、奏効率、疾患コントロール率(DCR)、安全性だった。

 2015年1月から2016年12月までに711人が登録され、TAS-118群に356人、S-1群に355人が割り付けられた。そのうち投与を受けたTAS-118群352人、S-1群348人で安全性評価が行われ、不適格患者(中央判定で転移なし)を除いたTAS-118群347人、S-1群334人で有効性の評価が行われた。患者背景は、性別以外は両群に差はなかった。性別は、男性がS-1群に比べてTAS-118群で7%多かった。

 試験の結果、OS中央値はTAS-118群が16.0カ月、S-1群が15.1カ月で、ハザード比0.83(95%信頼区間:0.69-0.99)、両側p=0.039で有意にTAS-118群で延長していた。カプランマイヤー曲線は、生存率が50%のところで2群の曲線がほぼ重なっているが、全体としてTAS-118群の曲線が上にあった。サブグループ解析は全体としてTAS-118群が優位で、特に女性、3個以上の臓器に転移している患者、腹膜転移がある患者でTAS-118群が良かった。

 PFS中央値は、TAS-118群が7.1カ月、S-1群が6.4カ月で、ハザード比0.79(95%信頼区間:0.66-0.93)、両側p=0.005で有意にTAS-118群で延長していた。奏効率はTAS-118群が73.5%(95%信頼区間:67.0-79.3)、S-1群が50.0%(95%信頼区間:43.1-56.9)で有意にTAS-118群が高かった。DCRはTAS-118群が93.4%(95%信頼区間:89.1-96.3)、S-1群が88.2%(95%信頼区間:83.1-92.2)でTAS-118群で高い傾向があった(p=0.092)。

 副作用による投薬中止率は、TAS-118群が5.8%、S-1群が4.9%。腫瘍縮小後の手術による投薬中止率は、TAS-118群が4.8%、S-1群が2.8%だった。患者希望による投薬中止は、TAS-118群が4.5%、S-1群が1.8%だった。TAS-118群の77.5%、S-1群の83.8%が後治療を受けた。

 TAS-118群でS-1群よりも発現頻度が高い全グレード、グレード3以上の副作用は、口内炎(グレード3以上が3.7%)、下痢(グレード3以上が9.4%)、末梢神経障害(グレード3以上が8.5%)、体重減少(グレード3以上が5.4%)だった。治療関連死は、TAS-118群の2例のみだった。

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