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2019/07/05

MSSの切除可能局所進行直腸癌に術前化学放射線療法後のニボルマブ投与で高いpCR率【WCGC2019】

横山勇生=編集委員

 MSSの切除可能局所進行直腸癌に術前化学放射線療法を行い、その後に抗PD-1抗体ニボルマブを投与することが有効である可能性が明らかとなった。国内で実施された多施設医師主導試験VOLTAGEの結果、MSS患者のpCR率が30%となり、当初に設定した主要評価項目を達成した。7月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催されているthe ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019(WCGC2019)で、国立がん研究センター東病院の吉野孝之氏が発表した。

 VOLTAGE試験は、国内3施設で実施されたオープンラベル単群医師主導試験。切除可能な原発直腸癌(cT3-4 Nany M0、肛門縁から12cm以下)または骨盤に限られた切除可能再発直腸癌患者を対象に、画像診断で遠隔転移がないことを確認した上で、同意が得られた患者に化学放射線療法(カペシタビン+50Gy)を行った後、14日以内にニボルマブを投与した。ニボルマブは、2週間おき240mgを投与、最初の3サイクル後に増悪がないことを確認し、さらに2サイクル投与。投与終了後14日以内に根治的切除を行い、術後補助化学療法を受けた。

 VOLTAGE試験は、MSS患者を対象としたコホートA1(39人)、MSI-H患者を対象としたコホートA2(2019年3月14日までに2人が登録実施中で、最大で5人まで登録予定)から構成されていた。主要評価項目は、MSSの局所進行直腸癌における独立中央評価でのpCR率(閾値は10%、期待pCR率は30%と設定)。副次評価項目は、各施設判定によるpCR率、奏効率、ニボルマブ投与と手術の安全性、プロトコールの完了率、根治的切除率だった。

 今回、コホートA1のうち、最初の37人の結果が発表された。pCRとなったのは11人で、pCR率は30%(90%信頼区間:18-44)だった。また、3人でAJCCグレード1の効果が認められ、major pathologic responseが得られたのは14人(38%)だった。また、T4かつ/またはN+の患者(12人)でもpCR率は42%となり有効なことが示された。

 コホートA1における副作用は、ニボルマブ関連(全グレード)が51.3%に発現したがグレード3/4は7.7%だった。手術関連(全グレード)が34.2%に発現し、グレード3/4は10.5%だった。8人で重篤な副作用が認められた。治療関連死はなかった。

 化学放射線療法を受ける前に採取した検体のバイオマーカー解析の結果、PD-L1発現と腫瘍浸潤リンパ球(TIL)におけるCD8/eTreg比がpCR率に関連していることが示された。MSS患者でPD-L1が1%以上発現した患者でのpCR率は60%だったが、1%未満の患者は19%だった。CD8/eTreg比が2以上だった患者のpCR率は62%だったが、2未満の患者は10%だった。PD-L1が1%以上発現しCD8/eTreg比が2以上だった患者のpCR率は83%(6人中5人)で、PD-L1発現が1%未満でCD8/eTreg比が2未満だった患者のpCR率は0%(7人中0人)だった。ただし、化学放射線療法後に採取した検体の解析では、関係性はなくなっていた。

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