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2019/7/4

進行膵腺癌の1次治療でnab-パクリタキセル+ゲムシタビンにイブルチニブの併用は有効性を示せず【WCGC2019】

横山勇生=編集委員

 進行膵腺癌に対する1次治療として、nab-パクリタキセル+ゲムシタビンにブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるイブルチニブを併用投与しても、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)の延長効果は認められなかった。無作為化多施設二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験であるRESOLVE試験(PCYC-1137試験)の結果示された。

 7月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催されているthe ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019(WCGC2019)で、米University of California San franciscoのMargaret A. Tempero氏によって発表された。

 RESOLVE試験は、進行膵腺癌患者をイブルチニブ+nab-パクリタキセル+ゲムシタビン投与群(イブルチニブ群、211人)とプラセボ+nab-パクリタキセル+ゲムシタビン投与群(プラセボ群、213人)に割り付けて行われた。患者はKPS70から80と90から100、肝転移の有無、年齢が65歳以下と65歳超で層別化されていた。28日間が1サイクルとされ、イブルチニブは、毎日560mgが投与された。1日目、8日目、15日目にnab-パクリタキセル125mg/m2とゲムシタビン1000mg/m2が投与された。主要評価項目はOSとPFS。副次評価項目は奏効率と安全性だった。両群の患者背景に差はなかった。

 試験の結果、OS中央値はイブルチニブ群が9.69カ月、プラセボ群が10.78カ月で、ハザード比1.109(95%信頼区間:0.903-1.363)、p=0.3225で有意な差はなかった。カプランマイヤー曲線は、常にイブルチニブ群がわずかに下にあった。サブグループ解析も有意な差がついたグループはなかった。

 研究グループの評価によるPFS中央値はイブルチニブ群が5.32カ月、プラセボ群が6.01カ月だった。ハザード比が1.564(95%信頼区間:1.277-1.916)、p=0.0001で有意にイブルチニブ群で短かった。

 奏効率はイブルチニブ群が29%、プラセボ群が42%で有意にプラセボ群が高かった(p=0.0058)

 安全性プロファイルは、各薬剤について過去に報告されているものと同様だった。

 今回の試験結果について、研究グループは、イブルチニブ群でnab-パクリタキセルとゲムシタビンの暴露量が少なかったため、イブルチニブ追加の効果が表れなかったと推測している。

 またWCGC2019では、膵癌に対する薬剤開発の現状を、米Wayne State University Karmanos cancer InstituteのPhilip Agop Philip氏がオーバービューした。同氏は2015年12月から2019年7月までに数多くの薬剤の試験が失敗している現状を指摘し、膵癌の生物学的に独特な側面を修飾するような薬剤を考えるべきではないかと指摘した。

 同氏は、膵癌はKRAS変異が多いことが知られているが、KRASを標的にすることは困難であることを説明した。その上で、最近、下流にあるMEK/ERKの阻害薬とオートファジーを阻害することでKRAS依存性の癌に有効である可能性が示されているとした。また、選択的にPDHとKGDHを阻害するCPI-613と低量FOLFIRINOXの1次治療としての有効性を評価するフェーズ3試験AVENGER500、nab-パクリタキセルとゲムシタビン(またはイリノテカン)にeryaspaseを併用する治療法の2次治療としての有効性を評価するTRYbeCA1などが行われていることを紹介した。

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