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2019/6/6

大腸癌肝転移に対する腹腔鏡下肝切除術のOSとRFSは開腹肝切除術と同等、世界初のRCTの長期追跡結果【ASCO2019】

森下紀代美=医学ライター

 大腸癌肝転移の患者を対象として、腹腔鏡下肝切除術(LLR)と開腹肝切除術(OLR)を比較した初のランダム化比較試験(RCT)OSLO-COMET試験から、長期転帰が発表され、全生存期間(OS)中央値はLLRで80カ月、OLRで81カ月と同等であり、無再発生存期間(RFS)も差がないことがわかった。5月31日から6月4日までシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2019)で、ノルウェーOslo University HospitalのAsmund Avdem Fretland氏が発表した。

 近年、LLRは世界的に広がりつつある。しかし、LLRとOLRの長期の腫瘍学的転帰を比較するRCTは行われていなかった。

 OSLO-COMET試験では、2012年2月から2016年1月までにOslo University Hospitalで大腸癌肝転移の患者294人をスクリーニングし、280人を開腹または腹腔鏡下で実質温存肝切除(連続する3区域未満)を行う群にランダムに割り付けた。再肝切除は許容とし、血行再建や胆道再建を行うケース、切除にアブレーションを加えるケースは、対象から除外された。

 主要評価項目は術後30日以内の合併症の発生(Clavien-Dindo分類のGrade II以上)で、LLR群(133人)19%、OLR群(147人)31%、p=0.021となり、LLR群で有意に低かったことがすでに報告されている。また、LLR群はOLR群と比べて、術後在院日数が有意に短縮し、QOLも優れていた。出血量、手術時間、R0切除率、90日以内の死亡率は両群で有意差はなかった。LLRは費用対効果に優れることも示された(AA Fretland, et al. Ann Surg 2018;267:199-207)。

 今回は、副次的評価項目の1つである全生存期間(OS)の結果が発表された。患者はノルウェーのガイドラインに従い、周術期の化学療法を受けている。最後の患者は2016年2月28日に手術を受け、生存期間の解析は2019年3月14日に行われ、最小追跡期間は36カ月となった。追跡期間中央値は45カ月だった。

 ITT解析対象(280人)におけるOS中央値は、LLR群80カ月(95%信頼区間:52-108)、OLR群81カ月(95%信頼区間:42-120)となり、有意差はなかった(p=0.91)。1年、3年、5年のOS率は、LLR群ではそれぞれ94%、71%、56%、OLR群ではそれぞれ93%、71%、57%となった。

 R0またはR1切除が行われた患者のみを対象としたmodified ITT解析対象(253人)では、RFS中央値は、LLR群19カ月(95%信頼区間:8-24)、OLR群16カ月(95%信頼区間:10-22)となり、有意差はなかった(p=0.73)。1年、3年、5年のRFS率は、LLR群ではそれぞれ53%、34%、29%、OLR群ではそれぞれ54%、39%、31%だった。

 Fretland氏は「これらのデータは、外科医が腹腔鏡下肝切除術を始めることを後押しするものと考えられる」とした。ただし、この手術のトレーニングプログラムは必須であるともしている。

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