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2019/6/6

ニボルマブ+イピリムマブは中・高リスクで肉腫様変化を認める進行RCCに有用な可能性【ASCO2019】

森下紀代美=医学ライター

 未治療の進行腎細胞癌(RCC)で肉腫様変化を認め、IMDCリスク分類で中/高リスクの患者に対し、1次治療としてのニボルマブとイピリムマブの併用は、スニチニブと比較して高い抗腫瘍効果と生存期間の延長を示すことが、多施設共同、フェーズ3ランダム化比較試験のCheckMate 214試験の探索的な事後解析から示された。5月31日から6月4日までシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2019)で、米Beth Israel Deaconess Medical Center、 Dana-Farber/Harvard Cancer CenterのDavid F. McDermott氏が発表した。

 肉腫様変化は、RCCの組織型のサブタイプおよび病期のいずれにも共存する可能性がある。肉腫様変化を認めるRCC患者の予後は不良であるが、細胞障害性の化学療法および分子標的薬を用いた治療の効果は低く、有効な治療の開発が必須である。

 肉腫様変化を認めるRCCは、肉腫様変化を伴わない淡明細胞型RCCと比べて、PD-1およびPD-L1が高いレベルで発現している可能性がある。免疫チェックポイント阻害薬をベースとする治療により、肉腫様変化を認める進行RCC患者で有望な効果が示されている。

 CheckMate 214試験では、IMDCリスク分類の中/高リスクで進行した淡明細胞型RCCの未治療の患者を対象として、ニボルマブ+イピリムマブとスニチニブを比較し、奏効率と全生存期間(OS)で併用療法が優れることが報告されている。

 今回、McDermott氏らは、同試験の探索的な事後解析として、IMDCリスク分類の中/高リスクで、後ろ向きに特定した肉腫様変化を認める進行RCC患者を対象に、ニボルマブ+イピリムマブとスニチニブを比較した。評価項目は、OS、治験担当医の評価による無増悪生存期間(PFS)、RECIST v1.1による奏効率、最良総合効果、安全性だった。

 ITT解析対象1096人のうち、843人は各施設での病理報告書の入手が可能だった。このうち112人が中/高リスクかつ肉腫様変化を認める進行RCCで、ニボルマブ+イピリムマブ群は60人、スニチニブ群は52人となった。

 ベースラインの患者背景は両群でバランスがとれていた。中/高リスクで肉腫様変化を認める患者のうち、ニボルマブ+イピリムマブ群の47.4%、スニチニブ群の53.1%は腫瘍細胞におけるPD-L1の発現が1%以上で、同試験の全ての中/高リスクの患者よりも多かった(ニボルマブ+イピリムマブ群26.0%、スニチニブ群29.1%)。

 2018年8月6日のデータベースロックの時点において、最小追跡期間は30カ月となった。中/高リスクで肉腫様変化を認める患者では、OSとPFSにおける有用性はニボルマブ+イピリムマブ群で高く、経時的に両群の差が開いた。

 OS中央値は、ニボルマブ+イピリムマブ群31.2カ月(95%信頼区間:23.0-NE)、スニチニブ群13.6カ月(95%信頼区間:7.7-20.9)、ハザード比0.55(95%信頼区間:0.33-0.90)となった。12カ月、24カ月、30カ月のOS率は、ニボルマブ+イピリムマブ群でそれぞれ79.7%、58.4%、53.0%、スニチニブ群でそれぞれ55.8%、34.6%、28.8%となった。
 
 PFS中央値は、ニボルマブ+イピリムマブ群8.4カ月(95%信頼区間:5.2-24.0)、スニチニブ群4.9カ月(95%信頼区間:4.0-7.0)、ハザード比0.61(95%信頼区間:0.38-0.97)となった。12カ月、24カ月、30カ月のPFS率は、ニボルマブ+イピリムマブ群でそれぞれ39.7%、39.7%、35.5%、スニチニブ群でそれぞれ17.8%、15.6%、12.5%となった。

 OSにおける有用性は、PD-L1の発現に関わらず、ニボルマブ+イピリムマブ群で高かった。OS中央値は、PD-L1の発現が1%未満の患者では、ニボルマブ+イピリムマブ群(30人)23.7カ月、スニチニブ群(23人)13.8カ月、PD-L1の発現が1%以上の患者では、ニボルマブ+イピリムマブ群(27人)未到達、スニチニブ群(26人)13.8カ月だった。

 奏効率は、ニボルマブ+イピリムマブ群56.7%、スニチニブ群19.2%、完全奏効(CR)はそれぞれ18.3%、0%となり、全ての中/高リスクの患者と同様だった(ニボルマブ+イピリムマブ群41.9%、スニチニブ群29.4%、CRはそれぞれ11.3%、1.2%)。ニボルマブ+イピリムマブ群では、ベースラインからの腫瘍縮小の割合も大きかった。

 多く観察された全グレードの治療関連有害事象は、ニボルマブ+イピリムマブ群では疲労感、掻痒症、下痢、スニチニブ群では疲労感、味覚異常、粘膜の炎症など。グレード3、4の治療関連有害事象は、ニボルマブ+イピリムマブ群の46%、スニチニブ群の40%に発現した。治療中止につながる治療関連有害事象(全グレード)は、ニボルマブ+イピリムマブ群20%、スニチニブ群10%に発現した。新たな安全性のシグナルは観察されなかった。

 今回の結果について、McDermott氏は「有効な治療に対するunmet needが続いている肉腫様変化を認めるRCC患者に対し、免疫チェックポイント阻害薬ベースの治療の有用性をより裏付けるもの」としている。現在、肉腫様変化を認める進行RCC患者を対象として、ニボルマブ+イピリムマブを検討する前向き試験が進行中である

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