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2019/6/4

BRCA変異を持つ白金系抗癌薬感受性再発卵巣癌でオラパリブが非白金系抗癌薬より奏効率とPFSを有意に改善【ASCO2019】

横山勇生=編集委員

 生殖細胞系列にBRCA変異を有する白金系抗癌薬感受性の再発卵巣癌に対して、PARP阻害薬オラパリブは、非白金系の抗癌薬よりも奏効率と無増悪生存期間(PFS)を有意に改善できることが明らかとなった。フェーズ3試験であるSOLO3試験の結果示された。5月31日から6月4日まで米国シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2019)で、米Massachusetts General HospitalのRichard T. Penson氏が発表した。

 SOLO3試験は、生殖細胞系列にBRCA変異を有する白金系抗癌薬感受性で既治療のhigh-gradeの漿液性または類内膜卵巣癌、原発性腹膜癌、卵管癌患者を対象に13カ国で行われた。白金系化学療法の治療歴数が2以上のECOG PS 0-2の患者を、オラパリブ投与群(1日2回300mgを投与)と医師選択化学療法群に2対1で無作為に割り付けた。医師選択化学療法群は、パクリタキルの場合は、4週間を1サイクルとして1日目、8日目、15日目、22日目に80mg/m2を投与、トポテカンの場合は、 4週間を1サイクルとして1日目、8日目、15日目に4mg/m2を投与、ゲムシタビンの場合は、4週間を1サイクルとして1日目、8日目、15日目に1000mg/m2を投与、ペグ化リポソーム型ドキソルビシンの場合は、4週間を1サイクルとして1日目に50mg/m2を投与した。

 患者は医師選択化学療法の種類、化学療法歴数(2から3と4以上)、白金系抗癌薬で増悪してからの期間で層別化されていた。主要評価項目は、盲検下独立中央審査によるRECIST v1.1に基づいた奏効率。副次評価項目は、PFS、PFS2(無作為化から2回目の増悪)、全生存期間(OS)、TFST(無作為化から最初の次治療または死亡までの時間)、TSST(無作為化から2つ目の次治療または死亡までの時間)、健康関連QOL、安全性だった。

 試験には266人が参加し、オラパリブ群に178人、医師選択化学療法群に88人(ペグ化リポソーム型ドキソルビシンが47人、パクリタキセルが20人、ゲムシタビンが13人、トポテカンが8人)が割り付けられた。医師選択化学療法群の12人は投与を開始されなかった。患者の登録は2015年2月24日から2018年5月15日まで行われた。しかし、最後に登録された患者は投与されなかったため、治療を受けた最後の患者が登録された2018年4月10日から6月後の10月10日にデータカットオフされた。

 223人(84%)がベースラインにおいて盲検下独立中央審査で評価可能な測定病変を有していた(オラパリブ群が151人、医師選択化学療法群が72人)。患者背景で、原発部位が卵巣だったのは、オラパリブ群が90%、医師選択化学療法群が84%だった。BRCA1に変異があったのは、オラパリブ群が67%、医師選択化学療法群が59%だった。白金系抗癌薬での増悪が6カ月以上12カ月未満だったのは、オラパリブ群が64%、医師選択化学療法群が57%、増悪が12カ月以上だったのは、オラパリブ群が36%、医師選択化学療法群が42%だった。化学療法歴数が2だったのは、オラパリブ群が52%、医師選択化学療法群が53%、3だったのはオラパリブ群が23%、医師選択化学療法群が27%、4以上はオラパリブ群が25%、医師選択化学療法群が19%だった。

 試験の結果、奏効率は患者全体で、オラパリブ群が72%(完全奏効が9%)、医師選択化学療法群が51%(完全奏効が3%)で、オッズ比2.53(95%信頼区間:1.40-4.58)、p=0.002で有意にオラパリブ群が高かった。化学療法歴数2の患者においては、オラパリブ群が85%(完全奏効が12%)、医師選択化学療法群が62%(完全奏効が5%)で、オッズ比3.44(95%信頼区間:1.42-8.54)だった。化学療法歴数3以上の患者においては、オラパリブ群が59%(完全奏効が7%)、医師選択化学療法群が39%で、オッズ比2.21(95%信頼区間:0.96-5.20)だった。医師選択化学療法群と比べてオラパリブ群でより深い奏効が得られていた。

 盲検下独立中央審査による判定で、PFS中央値はオラパリブ群が13.4カ月、医師選択化学療法群が9.2カ月で、ハザード比0.62(95%信頼区間:0.43-0.91)、p=0.013で有意にオラパリブ群で良好だった。研究グループの評価によるPFS中央値もオラパリブ群が13.2カ月、医師選択化学療法群が8.5カ月で、ハザード比0.49(95%信頼区間:0.35-0.70)、p<0.001で有意にオラパリブ群で良好だった。

 TFST中央値はオラパリブ群が15.1カ月、医師選択化学療法群が10.2カ月で、ハザード比0.48(95%信頼区間:0.33-0.71)、p<0.001で有意にオラパリブ群で長かった。PFS2中央値は、オラパリブ群が23.6カ月、医師選択化学療法群が19.6カ月で、ハザード比0.81(95%信頼区間:0.52-1.26)、p=0.35でオラパリブ群で長い傾向があった。OSはイマチュアな段階だった。FACT-O TOIスコアによる健康関連QOLの評価で、両群間に臨床的または統計学的に有意な差はなかった。

 安全性に関する新たな問題は見出されなかった。グレード3以上の副作用が発現したのは、オラパリブ群が50%、医師選択化学療法群が47%、重篤な副作用はオラパリブ群の24%、医師選択化学療法群の18%で報告された。副作用のために投薬中止となったのは、オラパリブ群が7%、医師選択化学療法群が20%だった。

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