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2019/6/4

ペムブロリズマブ+アキシチニブはmRCCでIMDCリスク分類の中・高リスク、肉腫様変化を認める患者にも有用【ASCO2019】

森下紀代美=医学ライター

 ペムブロリズマブアキシチニブの併用療法は、転移を有する腎細胞癌(mRCC)患者の1次治療として有用であることが報告されているが、この併用療法は、mRCCでIMDCリスク分類の中/高リスクの患者や肉腫様変化(sarcomatoid differentiation)を認める患者においても、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効率を改善することが、フェーズ3のKEYNOTE-426試験のサブグループ解析から示された。5月31日から6月4日までシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2019)で、米Cleveland Clinic Taussig Cancer InstituteのBrian I. Rini氏が発表した。

 KEYNOTE-426試験では、IV期の淡明細胞型RCC患者861人を対象とし、1次治療としてペムブロリズマブ+アキシチニブをスニチニブと比較した。ペムブロリズマブ200mgを3週毎に最大35サイクルまで静脈内投与し、アキシチニブ5mg/日を1日2回経口投与する群(併用群)、またはスニチニブ50mgを1日1回、4週間投与、2週間休薬する群(スニチニブ群)に、患者を1対1でランダムに割り付けた。

 主要評価項目であるOS(ハザード比0.53[95%信頼区間:0.38-0.74]、p<0.0001)、PFS(ハザード比0.69[95%信頼区間:0.57-0.84]、p<0.001)、副次的評価項目の奏効率(59.3% vs 35.7%、p<0.001)は、いずれも併用群で有意に優れることがすでに報告されている。この併用療法の有用性は、PD-L1の発現に関わらず、IMDCリスク分類の全てにおいて認められ、安全性プロファイルも管理可能だった(B. I. Rini, et al. NEJM 2019;380:1116-27)。

 この試験の結果に基づき、ペムブロリズマブとアキシチニブの併用療法は、進行RCCの1次治療として米食品医薬品局(FDA)に承認された。

 今回の解析の目的は、腫瘍縮小の割合を評価するとともに、臨床的に重要なサブグループであるIMDCリスク分類の低リスク、中/高リスク、肉腫様変化を認めるグループのOS、PFS、奏効率を評価することだった。

 標的病変のベースラインからの腫瘍縮小の割合は、スニチニブ群と比べて併用群で高かった。ITT解析対象において何らかの腫瘍縮小が認められた患者は、併用群94%、スニチニブ群85%、60%以上の縮小はそれぞれ42%、16%、80%以上の縮小はそれぞれ17%、6%となり、標的病変の完全奏効(CR)は9%、3%で得られた。

 IMDCリスク分類の低リスクのグループ(269人)では、OS中央値は併用群(138人)、スニチニブ群(131人)ともに未到達、ハザード比0.64(95%信頼区間:0.24-1.68)、12カ月OS率はそれぞれ95%、94%だった。PFS中央値はそれぞれ17.7カ月、12.7カ月、ハザード比0.81(95%信頼区間:0.53-1.24)、12カ月PFS率はそれぞれ68%、60%だった。奏効率は、併用群66.7%、スニチニブ群49.6%となった。

 一方、IMDCリスク分類の中/高リスクのグループ(592人)では、OS中央値は併用群(294人)、スニチニブ群(298人)ともに未到達、ハザード比0.52(95%信頼区間:0.37-0.74)、12カ月OS率はそれぞれ87%、71%だった。PFS中央値はそれぞれ12.6カ月、8.2カ月、ハザード比0.67(95%信頼区間:0.53-0.85)、12カ月PFS率はそれぞれ56%、40%だった。奏効率は、併用群55.8%、スニチニブ群29.5%となった。

 各施設の病理組織検査で肉腫様変化が認められた105人(18.2%)のうち、51人は併用群、54人はスニチニブ群だった。これらの患者のベースラインの患者背景は、ITT解析対象と比べて、IMDCリスク分類の低リスクの患者が少なく(併用群13.7%、スニチニブ群18.5%)、PD-L1 Combined positive score(CPS)が1以上の患者が多かった(併用群74.5%、スニチニブ群79.8%)。奏効率は、併用群58.8%、スニチニブ群31.5%となり、CRは併用群の13%、スニチニブ群の2%で得られた。

 肉腫様変化を認める患者のPFS中央値は、併用群で未到達、スニチニブ群で8.4カ月、ハザード比0.54(95%信頼区間:0.29-1.00)、12カ月PFS率はそれぞれ57%、26%となった。OS中央値は両群ともに未到達で、ハザード比は0.58(95%信頼区間:0.21-1.59)だった。

 Rini氏は「ペムブロリズマブとアキシチニブの併用療法は、淡明細胞型の進行RCCに対する1次治療の新たな標準治療と考える」とした。

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