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2019/06/04

RET融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺癌にRET阻害薬BLU-667は有望【ASCO2019】

八倉巻尚子=医学ライター

 RET融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺癌に対し、選択的RET阻害薬BLU-667は有効で、忍容性も優れていることがフェーズ1試験ARROWで明らかになった。米国Massachusetts General Hospital のJustin F. Gainor氏らが、5月31日から6月4日まで米国シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2019)で発表した。

 RET融合遺伝子は非小細胞肺癌の1-2%に認められる。BLU-667は前臨床試験で抗腫瘍効果が確認され、マルチキナーゼ阻害薬(カボザンチニブ)抵抗性に対しても腫瘍の増大を抑えることが示されている。

 ARROW試験は用量漸増の部分と拡大コホートの2つのパートからなる。用量漸増のパートでは、BLU-667は30-600mgを連日、1日1回もしくは1日2回経口投与した。その結果、フェーズ2試験推奨用量(RP2D)は400mgを1日1回(QD)投与に決定した。拡大コホートではこの用量を用いて、主要評価項目をRECIST v1.1による奏効率(ORR)と安全性として試験を行っている。

 初回用量400mg QD の投与を受けた患者120人で解析が行われた。年齢中央値は60歳、男性が49%、脳転移を有する患者が40%、前治療数の中央値は2回(0-11)だった。治療歴のある患者が84%を占め、化学療法(77%)、抗PD-1抗体・抗PD-L1抗体(39%)、マルチキナーゼ阻害薬(18%)などによる治療が行われていた。プラチナ製剤による治療歴があった患者は91人だった。RET融合遺伝子はKIF5Bとの融合が66%、CCDC6が13%であった。

 測定可能病変を有した患者48人において、奏効率(ORR)は58%(95%信頼区間:43-72)で、CRが1人、PRが27人、SDが18人、PDが2人であった。病勢制御率(DCR)は96%となった。プラチナ製剤による治療を受けた患者35人では、ORRは60%(95%信頼区間:42-76)で、CRが1人、PRが20人、SDが14人だった。DCRは100%であった。また治療歴のなかった7人では5人(71%)がPRとなった。

 効果のほとんどが最初の画像検査(8週目)で認められた。効果のあった患者ではデータカットオフ時点で82%が治療を継続していた。奏効期間の中央値には達していない。また前治療薬、RET融合遺伝子の遺伝子型(CCDC6、KIF5B、その他)、脳転移の有無に関わらず効果が認められた。脳転移の縮小も9 人中7人(78%)に認められた。

 400mg QD投与を受けた患者のうち、ベースライン時にRET融合遺伝子の血中遊離腫瘍DNA(ctDNA)が検出された患者20人では、18人(90%)でctDNAが消失していた。

 400mgQD投与における治療関連毒性はグレード1/2がほとんどで、毒性は可逆的であった。治療関連毒性で投与を中止したのは7%だった。便秘(全グレード17%)、好中球減少症(同26%)、AST上昇 (同20%)、高血圧 (同13%)、ALT上昇(同13%)、倦怠感(同13%)などが見られた。

 以上の結果から、RET融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌で、BLU-667は有望であり、持続的な抗腫瘍効果を示したとした。BLU-667はプラチナ製剤ベースの化学療法で増悪したRET融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌において、米国FDAからブレークスルーセラピーの指定を受けている。

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