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2019/6/3

進行胃癌1次治療でのペムブロリズマブは単剤療法の標準化学療法へのOSの非劣性のみ評価項目を達成、KEYNOTE-062【ASCO2019】

横山勇生=編集委員

 進行胃・胃食道接合部腺癌に対する1次治療としての抗PD-1抗体ペムブロリズマブの単剤療法は、標準化学療法に対して、PD-L1陽性(Combined Positive Score [CPS]1以上)の患者で全生存期間(OS)について非劣性であることが証明された。一方、ペムブロリズマブと化学療法の併用は、化学療法とプラセボ投与に対してCPS1以上、CPS10以上のどちらの患者でもOSで優越性を示せず、無増悪生存期間(PFS)についても、CPS1以上の患者で優越性を示せなかった。

 奏効率は、ペムブロリズマブと化学療法の併用が最も高かった。また、検証の前提となる条件が満たされなかったため正式な解析項目ではなかったが、CPS10以上の患者で、ペムブロリズマブ単剤群のプラセボ+化学療法群に対するハザード比は0.69(95%信頼区間:0.49-0.97)で有意な差があった。これらは無作為化フェーズ3試験であるKEYNOTE-062試験の結果、示された。

 5月31日から6月4日まで米国シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2019)で、スペインVall d’Hebron University Hospital and Institute of OncologyのJosep Tabernero氏によって発表された。

 KEYNOTE-062試験は、CPS1以上のHER2陰性進行胃・胃食道接合部腺癌を対象に、1次治療としての効果をペムブロリズマブ単剤群、ペムブロリズマブ+化学療法群、プラセボ+化学療法群の3群で比較したフェーズ3試験。患者は各群に1対1対1で割り付けられた。

 ペムブロリズマブ単剤群(3週おきにペムブロリズマブを200mg投与)、ペムブロリズマブ(3週おきに200mg投与)+化学療法群(シスプラチンは3週おきに80mg/m2を投与、5FUの場合は3週おきに1日目から5日目まで800mg/m2を投与、カペシタビンの場合は3週おきに1日目から14日目まで1日2回1000mg/m2を投与)、プラセボ(3週おきに投与)+化学療法群の3群に763人を無作為に割り付けて行われた。投薬は病勢増悪か受容不能な副作用が発現するまで行われた。

 無作為化は、地域、疾病の状態(局所進行か転移性か)、フルオロピリミジン治療の種類(5FUかカペシタビンか)によって層別化されていた。主要評価項目は、OSとPFS、副次評価項目は奏効率、安全性だった。

 ペムブロリズマブ単剤群とペムブロリズマブ+化学療法群の評価は、まずCPS1以上の患者でOSについて非劣性を検証し、証明された場合には、CPS1以上での優越性を検証することになっていた。

 ペムブロリズマブ+化学療法群とプラセボ+化学療法群の評価は、3つに分けられていた。1つ目は、まず、CPS10以上の患者でOSについて優越性を検証し、証明された場合には、CPS10以上でペムブロリズマブ単剤群とプラセボ+化学療法の優越性を検証することになっていた。2つ目は、CPS1以上の患者でOSについて優越性を検証し、証明された場合には、CPS10以上でペムブロリズマブ単剤群とプラセボ+化学療法のOSの優越性の検証と、CPS1以上の患者でペムブロリズマブ+化学療法群とプラセボ+化学療法群の奏効率の優越性を検証することになっていた。3つ目は、CPS1以上の患者でPFSについて優越性を検証し、証明された場合には、CPS1以上でペムブロリズマブ単剤群とプラセボ+化学療法の奏効率の優越性を検証することになっていた。

 全体で763人が、ペムブロリズマブ単剤群(256人)、ペムブロリズマブ+化学療法群(256人)、プラセボ+化学療法群(250人)に割り付けられた。CPS10以上はペムブロリズマブ単剤群が36%、ペムブロリズマブ+化学療法群が39%、プラセボ+化学療法群が36%、MSI-Hはペムブロリズマブ単剤群が5%、ペムブロリズマブ+化学療法群が7%、プラセボ+化学療法群が8%だった。地域は、欧州/北米/オーストラリアがペムブロリズマブ単剤群が58%、ペムブロリズマブ+化学療法群が58%、プラセボ+化学療法群が59%、アジアがペムブロリズマブ単剤群が24%、ペムブロリズマブ+化学療法群が25%、プラセボ+化学療法群が24%だった。

 後治療で2次治療を受けていたのは、ペムブロリズマブ単剤群が52.8%、ペムブロリズマブ+化学療法群が47.2%、プラセボ+化学療法群が54.1%、3次治療を受けていたのは、ペムブロリズマブ単剤群が27.2%、ペムブロリズマブ+化学療法群が18.4%、プラセボ+化学療法群が23.8%だった。2次治療で免疫療法を受けたのは、ペムブロリズマブ単剤群が1.2%、ペムブロリズマブ+化学療法群が0.4%、プラセボ+化学療法群が4.9%、3次治療で免疫療法を受けたのは、ペムブロリズマブ単剤群が0.4%、ペムブロリズマブ+化学療法群が2.0%、プラセボ+化学療法群が4.5%だった。

 データカットオフは2019年3月26日で、観察期間中央値は11.3カ月(0.2-41.2)だった。


ペムブロリズマブ単剤、化学療法併用の優越性はいずれも示せず

 まず、ペムブロリズマブ単剤群とプラセボ+化学療法群の比較の結果が発表された。CPS1以上の患者でのOS中央値は、ペムブロリズマブ単剤群が10.6カ月(95%信頼区間:7.7-13.8)、プラセボ+化学療法群が11.1カ月(95%信頼区間:9.2-12.8)だった。ハザード比は0.91(99.2%信頼区間:0.69-1.18)で非劣性マージンの1.2を下回っていたため、ペムブロリズマブ単剤群のプラセボ+化学療法群に対する非劣性は証明された。しかし、優越性については、p=0.162で証明できなかった。12カ月OS率は、ペムブロリズマブ単剤群が47%、プラセボ+化学療法群が46%、24カ月OS率はペムブロリズマブ単剤群が27%、プラセボ+化学療法群が19%だった。サブグループ解析はどのサブグループもあまり差がなかったが、アジア人については、ペムブロリズマブ単剤群の方が良く、ハザード比が0.54だった。

 次にペムブロリズマブ+化学療法群のプラセボ+化学療法群に対する比較の結果について。

 CPS10以上の患者でのOS中央値は、ペムブロリズマブ+化学療法群(99人)が12.3カ月(95%信頼区間:9.5-14.8)、プラセボ+化学療法群が10.8カ月(95%信頼区間:8.5-13.8)で、ハザード比は0.85(95%信頼区間:0.62-1.17)、p=0.158でペムブロリズマブ+化学療法群の優越性は示されなかった。そのため、CPS10以上の患者でのOS中央値についてペムブロリズマブ単剤群とプラセボ+化学療法群の検証は行われないことになっていたが、数字としてはペムブロリズマブ単剤群が17.4カ月(95%信頼区間:9.1-23.1)、プラセボ+化学療法群(90人)が10.8カ月(95%信頼区間:8.5-13.8)、ハザード比は0.69(95%信頼区間:0.49-0.97)で、有意な差があったが評価の対象ではなかった。

 CPS1以上の患者でのOS中央値は、ペムブロリズマブ+化学療法群が12.5カ月(95%信頼区間:10.8-13.9)、プラセボ+化学療法群が11.1カ月(95%信頼区間:9.2-12.8)だった。ハザード比は0.85(95%信頼区間:0.70-1.03)、p=0.046で有意な差はなく、ペムブロリズマブ+化学療法群の優越性は証明されなかった。

 CPS1以上の患者でのPFS中央値は、ペムブロリズマブ+化学療法群が6.9カ月(95%信頼区間:5.7-7.3)、プラセボ+化学療法群が6.4カ月(95%信頼区間:5.7-7.0)だった。ハザード比は0.84(95%信頼区間:0.70-1.02)、p=0.039で有意な差はなく、ペムブロリズマブ+化学療法群の優越性は証明されなかった。

 この結果から、ペムブロリズマブ+化学療法群とプラセボ+化学療法群の奏効率の優越性の検討は行われないことになった。なお奏効率は、CPS1以上の場合、ペムブロリズマブ単剤群が14.8%、ペムブロリズマブ+化学療法群が48.6%、プラセボ+化学療法群が37.2%、奏効期間中央値は、ペムブロリズマブ単剤群が13.7カ月、ペムブロリズマブ+化学療法群が6.8カ月、プラセボ+化学療法群が6.8カ月だった。CPS10以上の場合、奏効率はペムブロリズマブ単剤群が25.0%、ペムブロリズマブ+化学療法群が52.5%、プラセボ+化学療法群が37.8%、奏効期間中央値は、ペムブロリズマブ単剤群が19.3カ月、ペムブロリズマブ+化学療法群が8.3カ月、プラセボ+化学療法群が6.8カ月だった。

 治療関連副作用の頻度は、ペムブロリズマブ単剤群が最も軽度だった。

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