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2019/6/3

生殖細胞系列にBRCA変異を持つ進行膵癌の1次治療後の維持療法にPARP阻害薬オラパリブが有効【ASCO2019】

横山勇生=編集委員

 生殖細胞系列にBRCA変異を持つ進行膵癌の1次治療後の維持療法として、PARP阻害薬であるオラパリブが有効なことが明らかとなった。1次治療で白金系抗癌薬で増悪しなかった患者に対する維持療法としてのオラパリブの有効性を評価したフェーズ3試験POLOで、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の有意な延長が確認された。5月31日から6月4日まで米国シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2019)で、米The University of ChicagoのHedy L. Kindler氏によって発表された。

 転移を有する膵癌の4%から7%に生殖細胞系列のBRCA変異があると考えられている。BRCA変異を有する患者は、白金系抗癌薬ベースの化学療法の有効性が増加し、維持療法でPARP阻害薬を投与することで増悪を遅らせることが期待されている。

 POLO試験は、プラセボ対照無作為化多施設二重盲検フェーズ3試験。生殖細胞系列にBRCA変異がある、転移を有する膵臓癌で、白金系抗癌薬による1次治療で16週以上増悪しなかった(完全奏効、部分奏効、病勢安定)の患者を、1次治療後の4週間から8週間で、維持療法として1日2回オラパリブ300mgを投与する群とプラセボを投与する群に3対2で無作為に割り付けて行われた。維持療法は、病勢増悪または受容不能な副作用が発現するまで行われた。主要評価項目は、盲検下独立審査によるRECIST v1.1を用いたPFS。副次評価項目は、全生存期間(OS)、2度目の増悪までの期間(PFS2)、奏効率、疾患制御率、健康関連QOLなどだった。

 3315人をスクリーニングし、生殖細胞系列にBRCA変異を有する247人(7.5%)が同定された。1次治療で増悪した患者などを除いて、92人がオラパリブ群、62人がプラセボ群に割り付けられた。年齢中央値は、オラパリブ群が57.0歳(37-84)、プラセボ群が57.0歳(36-75)だった。1次治療が16週から6カ月までの患者は、オラパリブ群が66.3%、プラセボ群が64.5%、6カ月超はオラパリブ群が32.6%、プラセボ群が33.9%だった。1次治療で完全奏効または部分奏効だったのは、オラパリブ群が50.0%、プラセボ群が48.4%だった。

 データカットオフは2019年1月15日で、維持療法が継続されていたのは、オラパリブ群が32.6%、プラセボ群が12.9%、増悪に関する観察期間中央値はオラパリブ群が9.1カ月(0-39.6)、プラセボ群が3.8カ月(0-29.8)だった。

 試験の結果、PFS中央値はオラパリブ群が7.4カ月、プラセボ群が3.8カ月で、ハザード比0.53(95%信頼区間:0.35-0.82)、p=0.0038で有意にオラパリブ群の方が長かった。6カ月PFS率はオラパリブ群が53%、プラセボ群が23%、12カ月PFS率はオラパリブ群が34%、プラセボ群が15%、18カ月PFS率はオラパリブ群が28%、プラセボ群が10%、24カ月PFS率はオラパリブ群が22%、プラセボ群が10%で、どの時点でもオラパリブ群が2倍以上だった。サブグループ解析もBRCA変異の種類、年齢、1次治療の抗腫瘍効果など、全般でオラパリブ群が優位だった。

 OSの中間解析の結果は、中央値がオラパリブ群が18.9カ月、プラセボ群が18.1カ月、ハザード比0.91(95%信頼区間:0.56-1.46)、p=0.68で差はなかった。

 PFS2中央値はオラパリブ群が13.2カ月、プラセボ群が9.2カ月で、ハザード比0.76(95%信頼区間:0.46-1.23)、p=0.26でオラパリブ群で良い傾向があった。測定可能病変があった患者で、奏効率はオラパリブ群が23.1%、プラセボ群が11.5%、奏効期間中央値はオラパリブ群が24.9カ月、プラセボ群が3.7カ月だった。QOLはオラパリブ群で維持されており、両群に差はなかった。

 オラパリブの安全性、忍容性については、過去にオラパリブを投与された試験で認められたものと一致していた。

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