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2019/4/3

BRCA1、BRCA2、PALB2遺伝子のいずれかに変異のある進行膵癌の維持療法としてrucapribが有望【AACR2019】

横山勇生=編集委員

 白金系抗癌薬に感受性でBRCA1BRCA2PALB2遺伝子のいずれかに変異を有する進行膵癌の維持療法として、PARP阻害薬であるrucapribが有効である可能性が明らかとなった。単群フェーズ2試験の中間解析で忍容性が認められ、有望な抗腫瘍効果が認められた。3月29日から4月3日まで米アトランタで開催されているAmerican Association for Cancer Research(AACR2019)で、米The Hospital of The University of PennsylvaniaのKim Reiss Binder氏によって発表された。

 膵癌患者の5から8%に相同組換え修復異常(HRD)につながるBRCA1遺伝子変異、BRCA2遺伝子変異、PALB2遺伝子変異があると考えられている。BRCA1遺伝子変異、BRCA2遺伝子変異、PALB2遺伝子変異がある患者においては、白金系抗癌薬が長期間有効だとされている。

 フェーズ2試験は、白金系抗癌薬ベースの化学療法を受けて進行しなかった進行膵癌患者で、BRCA遺伝子かPALB2遺伝子に変異がある患者を対象に行われている。従来は化学療法を継続して行っていたが、この試験の狙いは化学療法を導入療法として行い、rucapribを維持療法として使うことで毒性の軽減が可能かを検討することにある。白金系抗癌薬による導入療法で4カ月以上増悪しなかった患者に、維持療法として1日2回600mgのrucaparibが増悪または受容不能な副作用が発現するまで投与された。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)だった。

 2018年12月31日までに24人が登録され、19人でPFSの評価が可能だった。13人が生殖系細胞のBRCA2変異、3人が生殖系細胞のBRCA1変異、2人が生殖系細胞のPALB2変異、1人が体細胞のBRCA2変異を有していた。患者の年齢中央値は61歳(35-81)、女性が84.2%を占めていた。前治療としての白金系抗癌薬の期間が16週未満は4人だった。なお、維持療法の登録時に測定病変があったのは17人だった。

 試験の結果、rucaparib投与開始からのPFS中央値は278日だった。全生存期間中央値は未到達。全患者の奏効率は37.3%、評価可能だった患者の奏効率は41.1%。1人で完全奏効が認められた。8週間の疾患制御ができたのは89.5%だった。8人は6カ月超のrucaparib投与を受けており、2人は1年超(13カ月と15カ月)の投与を受けていた。奏効が認められたのは、生殖系細胞にBRCA2変異があった4人、生殖系細胞にPALB2変異があった2人、体細胞にBRCA2変異があった1人だった。

 安全性については、rucaparib投与には忍容性が認められ、用量制限毒性はなかった。多く認められた治療に関連する可能性があった副作用(全グレード)は、吐き気(42.4%)、味覚障害(34.8%)、倦怠感(26.1%)だった。グレード3以上の副作用はなかった。

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