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2019/4/3

HER2陽性の再発・転移を有する唾液腺癌にトラスツズマブとドセタキセルの併用が高い効果を示す【AACR2019】

横山勇生=編集委員

 HER2陽性の再発または転移を有する唾液腺癌に、トラスツズマブとドセタキセルの併用が有効である可能性が明らかとなった。日本でJ-GCPに基づく医師主導治験として実施された多施設単群フェーズ2試験で、想定内の毒性で高い抗腫瘍効果が認められた。 3月29日から4月3日まで米アトランタで開催されているAmerican Association for Cancer Research(AACR2019)で、北海道大学の木下一郎氏が発表した。

 試験には、HER2発現が免疫組織化学染色法(IHC)で3+か2+でDISH陽性の、再発または転移を有する唾液腺癌患者が登録された。患者には、3週間おきにトラスツズマブ6mg/kg(1回目のみ8mg/kg)とドセタキセル70mg/m2が最長8サイクルまで投与された。主要評価項目は、盲検下独立審査委員会によるRECIST v1.1に基づく奏効率。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などだった。

 医師主導治験に参加したのは、北海道大学病院、神戸大学病院、国際医療福祉大学三田病院、名古屋市立大学病院、宮城県立がんセンター。2015年4月から2017年4月までに、48人でHER2発現がスクリーニングされ、18人が登録された。そのうち16人が実際に投薬を受け、15人が8サイクルを完了した。

 16人の患者背景は、年齢中央値は59歳(26-72)で、3人が女性、全員がPS 0-1だった。HER2評価に用いられた検体を中央病理判定し組織学的に全員が唾液腺導管癌となった。このうち14人については容易に唾液腺導管癌と確認された。また、全員、腫瘍のHER2発現がIHC3+だった。2人は未治療で転移を有していた。残りの14人は再発で、手術を受け術後補助化学療法を受けたたのが5人、術後放射線療法を受けたのが6人だった。手術のみは3人だった。

 試験の結果、測定可能病変がなかった1人を除く15人で奏効が認められたのは9人だった。奏効率は60.0%(95%信頼区間:32.3-83.7)で、1人は完全奏効(CR)が得られた。疾患制御率は、93.3%(95%信頼区間:68.1-99.8)。腫瘍の縮小は全員に認められた。PFS中央値は8.5カ月(95%信頼区間:6.0-12.7)だった。生存患者の観察期間中央値17.9カ月で、OSは中央値に到達していなかった。

 多く認められたグレード3/4の副作用は好中球減少症(100%)、白血球減少症(93.8%)、リンパ球減少症(13.8%)、発熱性好中球減少症(12.5%)だった。低アルブミン血症のために1人で治療関連死が起きた。

 木下氏は「唾液腺導管癌の約4割にHER2発現が起こっていると考えられる。導管癌の病理判定は難しいため、実用化された際には、唾液腺癌全体でスクリーニングして行うのが適切ではないか」と語った。

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