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2019/02/16

mCRPCの1次治療としてアビラテロン/エンザルタミドとドセタキセルでOSに有意差なし【ASCO GU2019】

八倉巻尚子=医学ライター

 転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)において、アビラテロンエンザルタミドによる1次治療を受けた場合、ドセタキセルによる1次治療の場合に比べて、無増悪生存期間(PFS)は長いが、全生存期間(OS)には有意な違いがないことが、前向きコホート研究PROREPAIR-Bで明らかになった。2月14日から16日まで米サンフランシスコで開催されているGenitourinary Cancers Symposium(ASCO GU2019)で、スペインSpanish National Cancer Research CentreのRebeca Lozano氏らが発表した。

 mCRPCの1次治療として、ドセタキセル、アビラテロン、エンザルタミドが使われているが、至適な投与順序に関するエビデンスは十分でなく、一方で薬剤間には交叉耐性があることが知られている。

 そこで1次治療(ドセタキセルと、アビラテロンもしくはエンザルタミド)のOS、PFSへの影響が検討された。PFSはProstate Cancer Clinical Trials Working Group(PCWG2)による基準に基づき、また1次治療開始から2次治療での増悪までの期間をPFS2とした。

 解析対象は406人で、ドセタキセルによる1次治療は188人、アビラテロンもしくはエンザルタミドによる1次治療は218人だった。

 患者の年齢中央値はドセタキセル群が若く、ドセタキセル群69.9歳、アビラテロン/エンザルタミド群73.3歳(p<0.001)、75歳以上の患者割合が25.5%と40.4%だった(p=0.002)。内臓転移を有する割合がドセタキセル群で高く、ドセタキセル群17.6%、アビラテロン/エンザルタミド群8.7%だった(p=0.008)。ALP基準値上限以上(以下、高値)は52.1%と40.4%(p=0.018)、LDH高値が48.1%と31.2%(p<0.001)、ヘモグロビン低値(10g/dL未満)が7.4%と2.8%(p=0.029)、アルブミン低値(3.5g/dL未満)が11.3%と4.6%であった(p=0.012)。

 PFS中央値は、アビラテロン/エンザルタミド群では10.8カ月、ドセタキセル群は8.3カ月、ハザード比0.5だった(p<0.001)。

 ドセタキセルによる1次治療を受けた患者188人のうち、113人は2次治療としてアビラテロン/エンザルタミドの治療を受け、38人は他の治療を、37人は2次治療を受けなかった。アビラテロン/エンザルタミドによる1次治療を受けた患者218人のうち、111人は2次治療としてドセタキセルの治療を受け、30人は他の治療を、77人は2次治療を受けなかった。

 PFS2は、1次治療がアビラテロン/エンザルタミドだった群とドセタキセルだった群で有意に異なり、アビラテロン/エンザルタミド群のPFS2中央値が20.6カ月、ドセタキセル群16.6カ月、ハザード比0.78 だった(p=0.006)。一方、OSは31.3カ月と29.9カ月、ハザード比1.05で有意な違いはなかった(p=0.725)。多変量解析でも1次治療の選択とOSは関連性が認められなかった。

 以上の結果から、PFSとPFS2はアビラテロン/エンザルタミドによる1次治療を受けた患者で長かったが、OSには違いが認められず、ドセタキセルによる1次治療の患者のほうが予後不良な患者背景を有していたとした。今後、分子マーカーによる層別化で、治療による有効性を高めるための患者選択が可能になるだろうとしている。

 なお、この発表は、今学会のMerit Awardを受賞した。

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