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2019/1/21

治療抵抗性大腸癌にデュルバルマブとトレメリムマブの併用が有効な可能性【ASCO GI2019】

八倉巻尚子=医学ライター

 治療抵抗性進行大腸癌に対し、抗PD-L1抗体デュルバルマブ抗CTLA-4抗体トレメリムマブ、支持療法(BSC)の併用が、BSC単独よりも有効である可能性が明らかとなった。ランダム化フェーズ2試験、CCTG CO.26試験で全生存期間(OS)を有意に延長することが示されたもの。

 カナダPrincess Margaret Cancer CentreのEric Xueyu Chen氏らが、1月17日から19日まで米国サンフランシスコで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)2019 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI2019)で発表した。研究グループは、今回の試験がミスマッチ修復欠損(dMMR)で選択されていない大腸癌患者において免疫チェックポイント阻害薬の有効性を示した最初の試験であるとしている。

 治療抵抗性大腸癌に対し、免疫チェックポイント阻害薬はdMMRのある癌を除いて効果を示さないことが知られている。dMMRの進行大腸癌に対してはニボルマブとイピリムマブ併用で良好な結果が報告されている。一方、デュルバルマブとトレメリムマブの併用も安全に実施できることがフェーズ1b試験で示されていた。

 CCTG CO.26試験は、標準的なすべての治療で増悪した進行大腸癌で、測定可能病変を有し、ECOG PSは0か1、十分な臓器機能のある患者を対象に行われた。標準治療にはフッ化ピリミジン系製剤、イリノテカン、オキサリプラチン、RAS野生型の場合は抗EGFR抗体(セツキシマブ、パニツムマブ)が含まれた。また可能であればVEGF系の阻害薬(ベバシズマブ、アフリベルセプト、レゴラフェニブ)もしくはTAS-102も使用することとされていた。

 患者をデュルバルマブ(D)とトレメリムマブ(T)、BSCを行う群(D+T群)とBSC単独の群(BSC群)に2:1の割合でランダム化した。層別化因子はECOG PS、腫瘍部位の左右であった。D+T群で治療は、28日おきにデュルバルマブ1500mgを1日目に投与、最初の4サイクルはトレメリムマブ75mgを1日目に投与し、適切な支持療法を行った。

 主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、安全性・毒性、奏効率、3次評価項目はQOL とした。統計学的な検討で、OSのハザード比は0.65、OS中央値はBSC群が4.5カ月、D+T群6.9カ月、有意差は両側検定で0.10、80%の検出力、イベント数は150人を要すると設定された。

 2016年8月から2017年6月に、カナダ27施設から180人が登録し、D+T群は119人、BSC群は61人だった。データカットオフは2018年8月14日。ベースラインの患者背景はバランスがとれていた。前治療にVEGF系の阻害薬は両群とも8割以上に使われていた。RAS野生型の患者はD+T群35%、BSC群46%で、抗EGFR抗体がそのうちの100%、83%に使われていた。TAS-102はその当時カナダでは承認されていなかったため、投与された例はなかった。

 また原発巣の位置が右側の患者がD+T群26%、BSC群31%だった。血中遊離DNAの解析の結果、KRAS変異型が78%と49%、NRAS変異型が2%と16%、BRAF V600E変異が7%と11%だった。高度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)/dMMRの腫瘍は各群で1人だった。

 OS中央値はD+T群は 6.6カ月(90%信頼区間:6.0-7.4)、BSC群は4.1カ月(90%信頼区間:3.3-6.0)だった。層別ハザード比0.72(90%信頼区間:0.54-0.97)、p=0.07で、未調整ハザード比は0.70(90%信頼区間:0.53-0.92)、p=0.03であった。サブグループ解析では、どのサブセットでもD+T群が優れていることが示された。

 PFS中央値は、D+T群は1.8カ月(90%信頼区間:1.8-1.9)、BSC群は1.9 カ月(90%信頼区間:1.8-1.9)、層別ハザード比1.01(90%信頼区間:0.76-1.34)、p=0.97だった。

 抗腫瘍効果が評価できたのはD+T群103人、BSC群46人だった。CRは両群ともなく、PRはD+T群で1人、SDはD+T群で26人、BSC群では4人だった。ITT集団において病勢制御率はD+T群22.7%、BSC群6.6%となった(p=0.006)。

 EORTC QLQ-C30の身体機能および全般的健康感において、2群間に有意な差はなかった。

 D+T群で新たな有害事象はなく、グレード3以上の疲労感、食欲不振、腹痛、リンパ球減少症の頻度はD+T群で有意に高かった。

 これらの結果から、研究グループは、デュルバルマブとトレメリムマブの併用療法は、治療抵抗性大腸癌のOSを有意に延長し、有害事象は既報告と一致し、QOLにも悪い影響はないことが示されたとした。

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