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2018/12/9

進行乳癌に対するパルボシクリブと放射線療法の併用は安全【SABCS2018】

横山勇生=編集委員

 進行乳癌に対してCDK4/6阻害薬パルボシクリブ放射線療法と併用することは、安全性に問題ない可能性が明らかとなった。米国で単施設でのパルボシクリブ投与患者の全データをレトロスペクティブに解析し、パルボシクリブ投与と同時か14日以内に放射腺治療を受けた患者について調べた結果、グレード2以上の副作用が発現していなかったことが分かった。12月5日から8日まで米・サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2018)で、米Rush University Medical CenterのChowdhary M氏によって発表された。

 CDK4/6阻害薬は前臨床試験の結果から、細胞周期をG1期から放射線抵抗性の強いS期へ移行させることから、放射線療法と併用することで効果が高まること、パルボシクリブがDNAの二本鎖切断修復の阻害役として働くことで放射線療法の効果を増強することが期待されている。しかし併用によってパルボシクリブの毒性、特に血液学的毒性を増強することが懸念されている。

 そこで研究グループは、2015年から2018年にRush University Medical Centerでパルボシクリブ投与と放射線治療を同時か14日以内に放射腺治療を受けた患者16人について解析を行い、効果と副作用について予備的な解析を行った。

 患者は28日を1サイクルとして、1日目から21日目までパルボシクリブ125mg経口投与と、28日おきのフルベストラント500mg(6人)か連日レトロゾール2.5mg(10人)を投与されていた。それぞれの患者のカルテから、ベースラインの状態と受けた治療について調査した。局所治療の効果は臨床検査と治療後のCT/MRI画像で確認した。毒性は、毎週フォローアップで来院する際に、CTCAE v5.0に基づいて判定された。治療前の中央値は12日(0-40)、治療後の中央値は8日(1-47)だった。

 放射線療法を受けた患者16人は症状のある進行乳癌患者で、パルボシクリブとともに緩和的放射線照射を受けていた。年齢中央値は59.6歳(33.3-91.0)。パルボシクリブと放射線照射の間の最短期間の中央値は5日(0-14)だった。パルボシクリブの投与期間中央値は15.7カ月(1.9-38.0)。パルボシクリブの投与が照射前だったのが4人、同時が5人、照射後が7人だった。照射部位は、骨-軸骨格(椎骨)が9人、骨-軸骨格(骨盤/その他)が6人、骨-(四肢)が3人、脳が4人(3人がWBRT、1人がSRS)、縦隔が1人だった。

 放射線量は30Gy/10分割だった患者が最も多く7人、35Gy/14分割を受けた患者が3人などだった。

 放射線照射から最近のフォローアップ/死亡までの期間の中央値は14.7カ月(1.7-38.2)だった。照射の結果、全員で疼痛の緩和が達成され、画像学的な局所再発は認められなかった。また、放射線照射は、パルボシクリブの投与を中断することなく、安全に行われていた。

 毒性は、グレード1の倦怠感が5人、皮膚炎が3人、吐き気が1人におきた。グレード2以上の皮膚、神経学的、胃腸系、血液学的毒性は認められなかった。16人中5人が照射前に白血球数または好中球数が低い状態だった。照射後に白血球数が低い状態だったのは5人で、そのうち2人は照射前に白血球数または好中球数が低い状態の患者だった。

 研究グループは、より大きな前向き試験でより長い長期観察を行って結果を確認する必要があると話した。

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