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2018/12/6

術前療法で残存病変のあるHER2陽性早期乳癌の術後療法はT-DM1がトラスツズマブより有効【SABCS2018】

横山勇生=編集委員

 術前補助療法を受けて残存病変があったHER2陽性早期乳癌に対する術後補助療法として、抗体-薬物複合体T-DM1トラスツズマブよりも有意に浸潤癌のない生存期間(iDFS)を延長できることが明らかとなった。国際多施設無作為化オープンラベルフェーズ3試験KATHERINEの結果示された。12月5日から8日まで米・サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2018)で、米Virginia Commonwealth University School of MedicineのCharles E Geyer, Jr.氏によって発表された。KATHERINE試験には日本は参加していない。

 KATHERINE試験 (NCT01772472/BO27938/NSABP B-50-I/GBG 77)は、トラスツズマブと化学療法の術前補助療法で病理学的完全奏効(pCR)が得られなかった(乳房内かつ/または腋窩リンパ節に残存病変)早期HER2陽性乳癌患者を、手術後の補助療法として12週間以内にトラスツズマブを投与する群(トラスツズマブ群、743人)とT-DM1を投与する群(T-DM1群、743人)に割り付けて行われた。患者は臨床状態(手術不能と手術可能)、ホルモン受容体の状態(陽性と陰性)、術前療法の種類(トラスツズマブとトラスツズマブ+2つ目の抗HER2薬)、術前療法後のリンパ節の病理学的な状態(陽性と陰性)で層別化されていた。

 トラスツズマブ群には3週おきに6mg/kgを14サイクル、T-DM1群には3週おきに3.6mg/kgを投与した。主要評価項目はiDFS、副次評価項目は無病生存期間(DFS)と全生存期間(OS)。

 患者の登録は2013年4月3日から2015年12月31日まで、データカットオフは2018年7月25日に行われた。独立データモニタリング委員会の中間解析は2018年9月28日。患者背景には両群で大きな差はなかった。

 試験の結果、iDFSイベントがトラスツズマブ群で165件、T-DM1群で91件に発生、未層別化ハザード比が0.50(95%信頼区間:0.39-0.64)、p<0.0001で有意にT-DM1群が良好だった。3年PFS率は、トラスツズマブ群が77.0%、T-DM1群が88.3%。iDFSのカプランマイヤー曲線は早期から分かれていた。

 iDFSのサブグループ解析は、全てのサブグループでT-DM1群が優位だった。手術可能と不能、ホルモン受容体が陽性と陰性、術前のHER2療法がトラスツズマブのみとトラスツズマブ+2つ目の抗HER2薬、年齢、人種のいずれでもT-DM1群が優位だった。

 最初の再発は、遠隔再発がトラスツズマブ群が15.9%(うち脳転移が4.3%)、T-DM1群が10.5%(うち脳転移が5.9%)、局所再発がトラスツズマブ群が4.6%、T-DM1群が1.1%だった。

 遠隔再発の未層別化ハザード比は0.60(95%信頼区間:0.45-0.79)、3年無イベント生存(EFS)率はトラスツズマブ群が83.0%、T-DM1群が89.7%だった。OSは中間解析の段階のため、有意差はついていないが、未層別化ハザード比が0.70(95%信頼区間:0.47-1.05)、p=0.0848だった。

 副作用は、全般的にトラスツズマブ群よりT-DM1群の方が多かったが、ほとんどがグレード1、2で管理可能だった。特に血小板減少、肝酵素上昇、末梢神経障害、血中ビリルビン値上昇がT-DM1群で多く認められた。T-DM1の副作用プロファイルは知られているものと一致していた。T-DM1群で1段階の減量が行われたのは10.4%、2段階の減量が行われたのは3.9%だった。

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