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2018/12/6

術前化学療法でpCRが得られるとEFS率、OS率が有意に改善、約2万8000人のメタ解析結果【SABCS2018】

横山勇生=編集委員

 術前化学療法で病理学的完全奏効pCR)が得られた場合、無イベント生存(EFS)率、全生存(OS)率が有意に改善することが明らかとなった。特にトリプルネガティブ乳癌とHER2陽性乳癌で改善が顕著だった。52件の臨床試験のメタ解析の結果で、12月5日から8日まで米・国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2018)で、米Massachusetts General Hospital Cancer CenterのLaura M. Spring氏が発表した。

 Spring氏らはPubMedで、1999年から2016年までの臨床試験の探索と同定を行い、3209件の試験を評価した。25人以上の患者が参加した、術前化学療法でpCRと再発、生存の結果が得られている試験を解析の対象とし、局所再発のみを報告した研究や術前内分泌療法、術前放射線治療を行った研究は解析対象から除いた。最終的に52件の研究から、2万7895人のデータを収集した。米国、メキシコ、欧州、クウェート、サウジアラビア、中国、日本、韓国のデータが得られた。再発の観察期間中央値は48カ月(21.3-107)、生存の観察期間中央値は49.9カ月(31.2-118)。集められた試験は、51.1%が無作為化臨床試験、42.8%がレトロスペクティブ研究、6.1%が単群試験だった。

 解析の結果、全体としてpCRが得られた患者はpCRが得られなかった患者よりも69%再発が少なかった。ハザード比は0.31(95%予測区間:0.24-0.39)だった。5年EFS率は、pCRが得られた患者で88%、得られなかった患者で67%。

 OSについては、pCRが得られた患者では得られなかった患者よりも死亡のリスクが78%低減されていた。ハザード比は0.22(95%予測区間:0.15-0.30)だった。5年OS率はpCRが得られた患者で94%、得られなかった患者で75%。

 サブタイプ別では、特にトリプルネガティブ乳癌患者とHER2陽性乳癌でpCRとの関連が高かった。トリプルネガティブ乳癌のpCRが得られた患者の5年EFS率は、pCRが得られた患者で90%、得られなかった患者で57%だった。HER2陽性乳癌のpCRが得られた患者の5年EFS率は、pCRが得られた患者で86%、得られなかった患者で63%だった。ホルモン受容体陽性乳癌患者においては再発は減少していたものの、有意な差ではなく、pCRが得られた患者の5年EFS率は97%、得られなかった患者で88%だった。OSについても同様な結果だった。

 また、pCRが得られた患者で5年生存が得られた患者の場合、再発のハザード比は、術後補助化学療法を受けた患者で0.36(95%予測区間:0.19-0.67)、受けなかった患者で0.36(95%予測区間:0.27-0.54)で、どちらでもpCRがEFSの改善に関連していた。5年EFS率は術後化学療法を受けた患者で86%、受けなかった患者で88%だった。

 さらにpCRになる患者の度合いが高いほど、EFSのハザード比が低くなることも分かった。

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