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2018/12/6

HER2陽性乳癌の術後補助療法としてトラスツズマブ12カ月投与に対する6カ月投与の非劣性は示されず、7.5年の追跡結果で確認【SABCS2018】

八倉巻尚子=医学ライター

 HER2陽性早期乳癌の術後補助療法として、標準治療であるトラスツズマブ12カ月投与に対する6カ月投与の非劣性は示されないことが、ランダム化フェーズ3試験PHAREの最終解析で明らかになった。フランスPaul Strauss Cancer CenterのXavier Pivot氏が、12月4日から8日まで米・サンアントニオで開催されているSAN ANTONIO BREAST CANCER SYMPOSIUM(SABCS2018)で発表した。

 PHARE試験は、HER2過剰発現早期乳癌患者を対象に、トラスツズマブによる術後補助化学療法について、12カ月投与と6カ月投与の効果を比較した。主要評価項目は無病生存期間(DFS)とした。

 試験には2006年5月30日から2010年7月9日までにHER2陽性早期乳癌患者3384人が登録され、3380人が12カ月投与群と6カ月投与群にランダム化された。エストロゲン受容体の有無、化学療法の同時投与と逐次投与で層別化された。2012年7月31日にデータベースはロックされ、解析の結果、12カ月投与群に対する6カ月投与群の非劣性は示されなかった(Pivot X, et al. Lancet Oncol 2013;14:741-48)。

 95%信頼区間における非劣性マージンは1.15と設定しており、非劣性と結論づけるための有意水準5%にはDFSイベントは680人が必要であるとされた。そこで2017年12月14日に再びデータベースをロックして最終解析が行われた。追跡期間中央値は7.5年(IQR:5.3-8.8年)で、DFSイベントは704人で、12カ月投与群では20.4%、6カ月投与群は21.2%であった。
 
 この結果、12カ月投与群と6カ月投与群のDFS調整ハザード比は1.08(95%信頼区間:0.93-1.25)、p=0.39で、12カ月投与群のほうが良好な傾向を示した。95%信頼区間の上限は1.15を下回っていないことから、非劣性は証明できなかった。

 サブグループ解析でも不均一性は示されず、年齢、リンパ節転移、腫瘍径、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、化学療法(同時投与、逐次投与)のいずれのグループでも有意な違いはなかった。

 さらにDFSハザード比の推移を見た結果、どの時点でも95%信頼区間の上限は1.15を下回っていなかった。例えば、1年目のハザード比は1.39(95%信頼区間:0.99-1.96)で、4年目は0.73(95%信頼区間:0.46-1.18)、9年目には0.76(95%信頼区間:0.35-1.65)であった。

 無転移生存期間(MFS)の調整ハザード比は1.13(95%信頼区間:0.94-1.36)、p=0.20だった。全生存期間(OS)は1.07 (95%信頼区間:0.86-1.32)、p=0.55だった。

 以上の結果から、PHARE試験ではトラスツズマブ6カ月投与は12カ月投与に対する非劣性が示されず、術後補助療法の標準治療は12カ月投与であるとした。ただし、英国で行われたPERSEPHONE試験では6カ月投与の非劣性が証明されている。この試験ではハザード比は1.07(90%信頼区間:0.93-1.24)、p=0.01で、非劣性マージンは1.25と設定されていた。2つの試験は似た試験デザインであり、ハザード比も近いが、マージンが異なるため反対の結論となったとコメントした。

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