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2018/12/6

CD30陽性PTCLの1次治療でブレンツキシマブ ベドチン+CHP療法がPFSとOSを延長【ASH2018】

森下紀代美=医学ライター

 CD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫PTCL)患者に対する1次治療として、微小管阻害薬結合抗CD30モノクローナル抗体ブレンツキシマブ ベドチンとCHP療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾロン)の併用は、標準的なCHOP療法と比べて、死亡または増悪のリスクを29%、死亡のリスクを34%低下させ、安全性プロファイルは同等であることが、フェーズ3のランダム化比較試験ECHELON-2から示された。

 PTCLのOSでCHOP療法を上回ることを初めて示したこの前向き試験の結果は、12月1日から4日まで米・サンディエゴで開催された第60回米国血液学会(ASH2018)で、米Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのSteven M. Horwitz氏が発表した。試験の詳細は、LANCET誌(2018年12月3日オンライン版)に掲載された。

 PTCLの標準的な1次治療はCHOP/CHOP-likeレジメンである。しかし、多くのサブタイプでは持続的な奏効が得られず、ALK陽性の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)を除くと予後は不良で、再発や増悪のリスクが高く、新たな治療法が必要とされている。

 PTCLのサブタイプの約半数はCD30を発現する。現在、ブレンツキシマブ ベドチンは、欧米や日本で再発・難治性sALCLの治療薬として承認されている。ブレンツキシマブ ベドチンとCHP療法の併用を1次治療で評価したフェーズ1試験では、有望な結果が示された。

 ECHELON-2試験は、二重盲検、ダブルダミー、実薬対照試験で、日本を含む17カ国から132施設が参加し、PTCL患者を対象として、ブレンツキシマブ ベドチン+CHP療法とCHOP療法の有効性と安全性を比較するために実施された。

 対象は、未治療のCD30陽性のPTCLの成人患者で、sALCL(IPI[国際予後因子]2以上のALK陽性sALCL、ALK陰性sALCL)、非特定型末梢性T細胞リンパ腫(PTCL-NOS)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)などが含まれた。治療は21日を1サイクルとして6-8サイクル行うこととし、ブレンツキシマブ ベドチンとCHP療法を併用する群(A+CHP群)、またはCHOP療法を行う群(CHOP群)に1対1で患者をランダムに割り付けた。主要評価項目は、盲検下独立評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目は、全生存期間(OS)、sALCL患者におけるPFS(BICRの評価による)、完全奏効(CR)率、奏効率、安全性だった。

 2013年1月から2016年11月までに452人がランダム化割り付けされ、各群226人となった。データカットオフ日は2018年8月15日とした。A+CHP群の85%、CHOP群の79%が治療を完了し、増悪による治療中止はそれぞれ3%、12%、有害事象による中止はいずれも7%だった。地固め療法は、A+CHP群の27%、CHOP群の19%に行われ、放射線療法はそれぞれ6%、3%、幹細胞移植は22%、17%に行われた。

 A+CHP群とCHOP群の患者背景はバランスがとれており、年齢中央値はいずれも58歳、IPIスコアが2-3の患者はそれぞれ62%、64%、4-5の患者はいずれも15%、III/IV期の患者はそれぞれ81%、80%だった。PTCLのサブタイプは、sALCLはA+CHP群72%、CHOP群68%(ALK陽性sALCLはいずれも22%、ALK陰性sALCLはそれぞれ50%、46%)、PTCL-NOSはそれぞれ13%、19%、AITLは13%、11%だった。

 449人が試験治療を1回以上受け、6サイクルを完了したのはA-CHP群70%、CHOP群62%、8サイクルを完了したのはそれぞれ18%、19%だった。相対用量強度の中央値(ブレンツキシマブ ベドチンまたはビンクリスチン)は、両群99%だった。

 主要評価項目であるPFS中央値は、追跡期間中央値36.2カ月において、A+CHP群48.2カ月(95%信頼区間:35.2-NE[評価不能])、CHOP群20.8カ月(95%信頼区間:12.7-47.6)、ハザード比は0.71(95%信頼区間:0.54-0.93)、p=0.011となった。3年PFS率は、A+CHP群57%、CHOP群44%だった。

 OSについては、追跡期間中央値42.1カ月において、両群ともに中央値に未到達で、A+CHP群のCHOP群に対するハザード比は0.66(95%信頼区間:0.46-0.95)、p=0.0244だった。

 治療終了時の奏効率は、A+CHP群83%、CHOP群72%となり、完全奏効(CR)率はそれぞれ68%、56%となり、いずれも有意差を認めた(それぞれp=0.0032、p=0.0066)。sALCL患者のサブグループでは、PFSのハザード比は0.59(95%信頼区間:0.42-0.84)、p=0.0031となった。

 A+CHP群の安全性プロファイルは、CHOP群と同等だった。グレード3以上の有害事象はA-CHP群66%、CHOP群65%、重篤な有害事象はそれぞれ39%、38%に発現した。

 ECHELON-2試験の結果に基づき、米食品医薬品局(FDA)は、未治療のsALCLまたはその他のCD30陽性のPTCL(AITL、PTCL-NOSを含む)の成人患者を対象として、ブレンツキシマブ ベドチンをCHP療法との併用で承認している。

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