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2018/12/6

未治療若年慢性リンパ性白血病にイブルチニブとリツキシマブの併用はPFSとOSを延長【ASH2018】

八倉巻尚子=医学ライター

 未治療の若年慢性リンパ性白血病(CLL)に対し、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬イブルチニブリツキシマブの併用は、標準治療であるフルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブ(FCR療法)に比べて有効であることが、ECOG-ACRIN Cancer Research Groupによるランダム化フェーズ3試験(E1912)で明らかになった。米国Stanford UniversityのTait D. Shanafelt氏らが、12月1日から4日まで米・サンディエゴで開催された米国血液学会(ASH2018)で発表した。

 イブルチニブは、再発または難治性のCLL、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫に対する治療薬で、2018年7月には未治療のCLL(SLLを含む)への適応拡大が承認されている。

 フェーズ3試験は、治療歴がない70歳以下、ECOG PS 0-2のCLL患者を対象とし、FCR療法に対する効果が低い染色体17p欠失の患者は除外された。患者をイブルチニブ+リツキシマブ群とFCR群に2:1の割合に分けた。

 イブルチニブ+リツキシマブ群では、イブルチニブ420mg/日を病勢進行まで投与した。2サイクル目にはイブルチニブに加え、1日目にリツキシマブ50mg/m2を、2日目にリツキシマブ325mg/m2を投与した。3-7サイクル目にはイブルチニブに加え、リツキシマブ500mg/m2を1日目に投与した。FCR群では、1-6サイクル目に、フルダラビン25mg/m2とシクロホスファミド250mg/m2を1-3日目に投与し、1サイクル目には1日目にリツキシマブ50mg/m2を、2日目に 325mg/m2を投与した。2-6サイクル目には1日目にリツキシマブ500mg/m2を投与した。

 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)とした。有効性の最初の解析は登録終了後 24カ月とされ、最初の中間解析が2018年9月24日に実施された。また患者は年齢(60歳未満、60歳以上)、PS(0/1、2)、病期(3/4、1/2)、ATM11q22.3欠失の有無で層別化された。

 試験には529人が登録され、イブルチニブ+リツキシマブ群が354人、FCR群が175人で、適格患者はイブルチニブ+リツキシマブ群332人、FCR群166人だった。観察期間中央値は33.6カ月であった。

 PFSはITT患者ではイブルチニブ+リツキシマブ群で優れており、ハザード比が0.35(95%信頼区間:0.22-0.5)、片側検定 p<0.00001であった。事前に設定されたPFSの初回中間解析での境界は片側検定p値で0.0025であったため、これを超えて優れていた。適格患者ではハザード比が0.32(95%信頼区間:0.20-0.51)、片側検定 p<0.00001だった。

 PFSのサブグループ解析で、イブルチニブ+リツキシマブ群はFCR群に比べて、年齢、性別、ECOG PS、病期、11q22欠失などのサブグループでも優れていた。またイブルチニブ+リツキシマブ群は免疫グロブリン重鎖のIGHV 遺伝子変異陰性患者では優れており、ハザード比は0.26(95%信頼区間:0.14-0.50)、片側検定p<0.00001であった。一方、IGHV 遺伝子変異陽性患者ではハザード比は0.44(95%信頼区間:0.14-1.36)、p=0.07で有意ではなかった。

 OSもイブルチニブ+リツキシマブ群が良好で、ITT患者でのハザード比は0.17(95%信頼区間:0.05-0.54)、p<0.0003だった。適格患者ではハザード比は0.13(95%信頼区間:0.03-0.46)、p<0.0001だった。

 イブルチニブ+リツキシマブ群での死亡は4人、FCR群は10人で、CLLによる死亡が1人と6人だった。グレード3以上の治療関連有害事象はイブルチニブ+リツキシマブ群では58.5%で、FCR群は72.1%であった(p=0.004)。FCR群で特徴的な有害事象は好中球減少症で、FCR群は43.7%、イブルチニブ+リツキシマブ群は22.7%であった(p<0.001)。また感染症がFCR群19.0%、イブルチニブ+リツキシマブ群は7.1%であった(p<0.001)。高血圧はFCR群は1.9%だが、イブルチニブ+リツキシマブ群は7.4%に見られた(p=0.01)。

 以上の結果から、未治療の70歳以下のCLL患者において、イブルチニブとリツキシマブの併用療法はFCR療法に比べて、PFSおよびOSに関して優れており、忍容性も認められたとした。またイブルチニブをベースとした治療として、イブルチニブ+obinutuzumab±venetoclaxの70歳未満CLL対象の試験(NCT03701282)と70歳以上の試験(NCT03737981)も行なわれている。

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