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2018/11/14

AKT1 E17K変異を持つ固形癌に汎AKT阻害薬capivasertibが有効な可能性【EORTC-NCI-AACR2018】

横山勇生=編集委員

 AKT1 E17K変異を有する固形癌に、汎AKT阻害薬であるAZD5363(capivasertib)が有効である可能性が明らかとなった。特定の遺伝子変異を有する患者を対象に行われているバスケット試験NCI-MATCH/ ECOG-ACRIN共同試験の一部として行われた、フェーズ2であるEAY131-Y試験で有望な抗腫瘍効果が得られたもの。

 11月13日から16日までアイルランド・ダブリンで開催されているthe EORTC-NCI-AACR SYMPOSIUM “MOLECULAR TARGETS AND CANCER THERAPEUTICS”(EORTC-NCI-AACR2018)で、米New York Presbyterian-Columbia University Irving Medical CenterのKevin Kalinsky氏によって発表された。

 EAY131-Y試験は、腫瘍細胞にAKT1 E17K変異を有する進行癌患者35人を対象に行われた。AKT1 E17K変異は様々な癌種で見つかるが稀な変異であり、NCI-MATCH試験の中央検査で同定されたのは5548人中70人(1.3%)だった。患者には、28日間を1サイクルとして、毎週、最初の4日間はcapivasertib 480mgを1日2回経口投与し、3日間は休薬した。投与は病勢増悪か受容不能な副作用が発現するまで行われた。

 ホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌患者で、最後の治療にホルモン療法が含まれていた患者には、capivasertibの投与量を400mgとし、同時にフルベストラントかアロマターゼ阻害薬を併用しても良いとされていた。KRAS、NRAS、HRAS、BRAF変異のある患者は除かれていた。また、rapalogos以外のPI3K阻害薬、AKT阻害薬、mTOR阻害薬が投与されたことのない患者(4週間以下の術前の期間は除く)とされた。良くコントロールされた糖尿病患者(ベースラインの空腹時血糖値が8.9mmol/Lまたは160mg/dL、インスリンまたは2種類以上の血糖降下薬の投与を受けている患者は除く)は適格とされた。

 主要評価項目はRECIST v1.1による奏効率。奏効率が16%超であれば主要評価項目達成と定義されていた。鍵となる副次評価項目は6カ月無増悪生存(PFS)率、全体のPFS、安全性だった。

 試験には2016年7月13日から2017年8月10日までに35人が登録された。30人(86%)が女性で年齢中央値は61歳(32-73)。27人(77%)が白色人種、5人(14%)が黒色人種、2人(6%)がアジア系だった。11人(31%)がPS 0、前治療歴数中央値は4(0-10)で、前治療歴数3ライン超が19人(54%)だった。癌種で多かったのは乳癌が18人(52%、ホルモン受容体陽性/HER2陰性が15人、トリプルネガティブが3人)、婦人科癌が11人(31%、子宮内膜類内膜腺癌6人など)だった。

 データカットオフは2018年10月24日。試験の結果、部分奏効(PR)が8人で認められ、奏効率は23%(90%信頼区間:12-38)だった。PRが得られた患者のうち、6人がホルモン受容体陽性/HER2陰性乳癌、1人が子宮内膜類内膜腺癌、1人が子宮平滑筋肉腫だった。PRのホルモン受容体陽性/HER2陰性乳癌のうち2人は内分泌療法が併用されていた。

 最良効果の評価で、16人(45%)は病勢安定(SD)、2人(6%)が増悪、8人(23%)が評価不能、1人がデータ紛失だった。奏効期間中央値は3.8カ月(1.9-19.8)。6カ月PFS率は52%(90%信頼区間:41-72)、PFS中央値は7カ月、全生存期間中央値は14.5カ月だった。3人でデータカットオフ時点で投薬が継続されていた。

 副作用により投薬中止となったのは26%だった。多く認められたグレード1/2の副作用は、下痢(49%)、倦怠感(40%)、吐き気(31%)、蛋白尿(26%)だった。多く発現したグレード3の副作用は、高血糖(20%)、皮疹(11%)だった。1件のグレード4の高血糖が発現した。1サイクル目で35人中17人(49%)で用量調整が必要だった。

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