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2018/10/26

HPV陽性低悪性度中咽頭癌に対する治療はシスプラチンを併用した放射線療法がセツキシマブ併用を生存で上回る【ESMO2018】

横山勇生=編集委員

 HPV陽性低悪性度中咽頭癌に対する治療は、抗EGFR抗体セツキシマブを併用した放射線療法よりも、シスプラチンを併用した放射線療法の方が良いことが明らかとなった。両治療法を比較した非盲検国際多施設無作為化試験DE-ESCALaTE HPVで、毒性は変わらないが、セツキシマブ併用療法の方が生存、再発について劣ることが示された。10月19日から23日までドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、英University of BirminghamのHisham Mehanna氏によって発表された。

 DE-ESCALaTE HPV試験の対象は、免疫組織染色でp16陽性のHPV陽性で、AJCC TNM7の分類でステージ3/4a(T3N0-T4N0、T1N1-T4N3)である低リスク患者とされた。英国、アイルランド、オランダの32施設から334人が登録され、放射線照射とシスプラチン投与を受ける群(シスプラチン群)と放射線照射とセツキシマブ投与を受ける群(セツキシマブ群)に割り付けられた。放射線照射は7週間にわたり、35回照射で計75Gyが照射された。シスプラチンは1日目、22日目、43日目に1日あたり100mg/m2が投与され、セツキシマブは1回目だけ400mg、その後は毎週250mgが投与された。患者は、施設、Tステージ、Nステージなどで層別化されていた。

 試験の主要評価項目は、全体の急性と遅発性のグレード3から5の毒性の発現率。副次評価項目は治療から3カ月までの急性の重篤な毒性発現率、3カ月以降の遅発性の重篤な毒性発現率、QOL、嚥下能、全生存期間(OS)と再発、費用対効果だった。

 両群で患者の背景に差はなかった。70Gy以上が照射されたのが96%、シスプラチンが3回投与されたのは38%、2回投与されたのは51%、セツキシマブを8回投与されたのは79%だった。

 試験の結果、急性毒性、遅発性毒性、全体の毒性のいずれも、全グレード、グレード3-5の毒性の発現率は両群で差がなかった。全グレードの毒性について、全体の発現率はシスプラチン群が29.15%、セツキシマブ群が30.05%、急性毒性発現率はシスプラチン群が19.05%、セツキシマブ群が20.35%、遅発性毒性はシスプラチン群が9.44%、セツキシマブ群が9.87%だった。グレード3-5の毒性については、全体の発現率はシスプラチン群が4.81%、セツキシマブ群が4.82%、急性毒性発現率はシスプラチン群が4.43%、セツキシマブ群が4.35%、遅発性毒性はシスプラチン群が0.41%、セツキシマブ群が0.48%だった。また、QOL、嚥下能の変化も両群で差がなかった。なお重篤な副作用(SAE)はセツキマブ群の方が少なかった。

 一方、2年生存期間はシスプラチン群の97.5%に対してセツキシマブ群は89.4%となり、ハザード比4.99(95%信頼区間:1.70-14.67)、p=0.001で有意にセツキシマブ群が悪かった。調整ハザード比でも5.94(955信頼区間:1.98-17.79)、p=0.001だった。再発についてもセツキシマブ群で有意に多かった。2年再発率はシスプラチン群が6.0%だったのに対して、セツキシマブ群は16.1%、ハザード比3.39、p=0.0007だった。局所再発、遠隔再発のどちらもセツキシマブ群で多かった。HPV DNA-ISH+/p16+の患者でも2年OS率はシスプラチンの方が高く、TNM8版によるI/II患者(T4/N3を除いた特に低リスクの患者)でも2年OS率はシスプラチンが高く、TNM8版によるIII患者でも同様だった。

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