このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2018/10/24

dMMR大腸癌へのイピリムマブとニボルマブ併用術前療法が高い有効性を示す可能性【ESMO2018】

横山勇生=編集委員

 DNAミスマッチ修復欠損(dMMR)大腸癌の術前療法として、短期間のイピリムマブニボルマブの併用療法が高い有効性を示す可能性が明らかとなった。オランダで行われた探索的なフェーズ2試験NICHEでdMMRの患者に投与したところ、7人全員で病理学的な大奏効(残存腫瘍が5%未満)、7人中4人は病理学的完全奏効(pCR)が得られた。一方、MMR欠損ではないpMMR患者では効果は認められなかった。また手術への影響もなかった。10月19日から23日までドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、オランダNetherlands Cancer InstituteのM. Chalabi氏によって発表された。

 免疫チェックポイント阻害薬の術前療法での効果に注目が集まっている。切除可能局所進行直腸癌に術前化学放射線療法を行い、その後にニボルマブを投与することで、7例中4例でpCRが得られることが、国内で実施されている多施設フェーズ1b/2試験VOLTAGEの予備的な解析で明らかにされている。また、少人数の試験で切除可能非小細胞肺癌患者に、術前療法としてニボルマブを投与することで、大幅な病理学的退縮が認められたことも報告されている。

 NICHE試験は、手術可能な早期の大腸癌患者を対象に行われている試験。dMMR患者30人、pMMR(proficient mismatch repair、ミスマッチ修復良好)患者30人を対象に進めている。患者には大腸内視鏡検査とバイオプシーを行ったあと、1日目にイピリムマブ1mg/kgを、1日目と15日目にニボルマブ3mg/kgを投与した。大腸内視鏡検査とバイオプシーから手術までは最大で6週間とされていた。試験の主要目的は、安全性と実現可能性。副次目的は、効果、効果と腫瘍変異量(TMB)、インターフェロンγ遺伝子シグネチャー、T細胞浸潤、TCRクローナリティとの関連だった。

 今回発表されたのは、dMMR患者7人とpMMR患者8人の結果。dMMR患者は1/2期が3人、3期が4人、腫瘍が左側にあったのが2人、右側が5人、リンチ症候群が3人、TMB中央値が1795(1324-4458)だった。pMMR患者は1/2期が5人、3期が3人、腫瘍が左側にあったのが5人、右側が3人、リンチ症候群が0人、TMB中央値が103(68-269)だった。最初の治療から手術までの期間の中央値は32日だった。

 試験の結果、投薬による手術の遅れはなかった。治療関連副作用はグレード1/2が10件、グレード3が5件発現した。多かったのはグレード1/2のドライマウス(4人)だった。術後の副作用としてグレード3の腹部感染症、縫合不全、肺炎が1件ずつだった。

 dMMR患者7人中4人でpCRが得られた。残りの3人も術後検体における残存腫瘍は1%と2%だった。一方、pMMR患者の残存腫瘍は85%から100%でほとんど効果は認められなかった。

 術前、術後の検体を用いて免疫細胞の動向が調べられたが、手術前の腫瘍の炎症状態は効果の予測因子とはならなかった。dMMR患者、pMMR患者のどちらでも治療後にT細胞浸潤が増加していた。

この記事を友達に伝える印刷用ページ