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2018/10/23

PIK3CA変異を有するAI投与後HR陽性進行乳癌にalpelisibとフルベストラントの併用が有効【ESMO2018】

横山勇生=編集委員

 アロマターゼ阻害薬(AI)投与(CDK4/6阻害薬を併用または非併用)後のホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性閉経後または男性の進行乳癌でPIK3CA変異を有する患者に対して、PI3Kα特異的阻害薬であるalpelisibとフルベストラントを併用することは、フルベストラントのみを投与するよりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長できることが明らかとなった。alpelisibとフルベストラントの併用投与群とプラセボとフルベストラント投与群とを比較したフェーズ3試験、SOLAR-1の結果示された。

 10月19日から23日までドイツ・ミュンヘンで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、フランスGustave RoussyのFabrice Andre氏によって発表された。

 SOLAR-1試験は、世界規模で行われている無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験。AI投与(CDK4/6阻害薬を併用または非併用)後のHR陽性HR2陰性閉経後または男性の進行乳癌で、ECOG PSが1以下の患者を対象に行われた。

 572人が試験に参加した。腫瘍組織の評価でPIK3CA変異があった341人と変異がなかった231人を分け、それぞれalpelisibとフルベストラントの併用投与群とプラセボとフルベストラント投与群に1対1に割り付けた。肝/肺転移の存在とCDK4/6阻害薬の投与経験の有無で層別化されていた。患者にはalpelisib300mgかプラセボが1日1回投与された。フルベストラントは500mgが1サイクル目のみ1日目と15日目に筋肉内投与され、その後は28日を1サイクルとして1日目に投与された。

 試験対象は、術後(術前)補助内分泌療法を受けて1年以内に再発した患者、進行癌に対する内分泌療法を受けて進行した患者だった。当初は術後(術前)補助内分泌療法を受けて1年超たってから再発した患者も対象とされていたが、プロトコール変更により対象から外された。

 主要評価項目は、PIK3CA変異を有する患者におけるPFS(各施設での評価)。副次評価項目は、PIK3CA変異を有する患者での全生存期間(OS)、循環腫瘍DNAでPIK3CA変異があった患者でのPFS、PIK3CA変異を有しない患者でのPFS、PIK3CA変異を有しない患者でのOS、奏効率/クリニカルベネフィット率、安全性だった。

 患者の半数強に内臓転移があり、CDK4/6阻害薬の投与経験があったのは6%程度だった。

 試験の結果、データカットオフ(2018年6月12日)におけるPIK3CA変異があった患者の解析で、各施設の判定によるalpelisibとフルベストラントの併用投与群(169人)のPFS中央値が11.0カ月(95%信頼区間:7.5-14.5)、プラセボとフルベストラント投与群(172人)のPFS中央値が5.7カ月(95%信頼区間:3.7-7.4)、ハザード比0.65(95%信頼区間:0.50-0.85)、p=0.00065で有意にalpelisibとフルベストラントの併用投与群が長かった。カプランマイヤー曲線は、6カ月目あたりまでの早期に大きく離れ、その後は平行して下がっていた。サブグループ解析も全てのグループでalpelisibが優位だった。

 なお、盲検下中央判定が50%の患者で行われ、alpelisibとフルベストラントの併用投与群(85人)のPFS中央値が11.1カ月(95%信頼区間:7.3-16.8)、プラセボとフルベストラント投与群(88人)のPFS中央値が3.7カ月(95%信頼区間:2.1-5.6)で、ハザード比0.48(95%信頼区間:0.32-0.7185)だった。

 PIK3CA変異がなかった患者においては、alpelisibとフルベストラントの併用投与群(115人)のPFS中央値が7.4カ月(95%信頼区間:5.4-9.3)、プラセボとフルベストラント投与群(116人)のPFS中央値が5.6カ月(95%信頼区間:3.9-9.1)で、ハザード比0.85(95%信頼区間:0.58-1.25)で差がなかった。

 PIK3CA変異があった患者における奏効率は、全体でalpelisibとフルベストラントの併用投与群が26.6%、プラセボとフルベストラント投与群が12.8%で、有意な差があった(p=0.0006)。また、測定可能病変を有する患者でもalpelisibとフルベストラントの併用投与群が35.7%、プラセボとフルベストラント投与群が16.2%で、有意な差があった(p=0.0002)。

 alpelisibとフルベストラントの併用投与群で特に多く認められた副作用は、高血糖と皮疹だった。高血糖を発現したのは、alpelisibとフルベストラントの併用投与群で、全グレード63.7%、グレード3 32.7%、グレード4 3.9%、プラセボとフルベストラント投与群で全グレード9.8%、グレード3 0.3%だった。皮疹を発現したのは、alpelisibとフルベストラントの併用投与群で、全グレード35.6%、グレード3 9.9%、プラセボとフルベストラント投与群で全グレード5.9%、グレード3 0.3%だった。

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