第一三共は9月26日、抗HER2抗体薬物複合体製剤であるtrastuzumab deruxtecan(DS-8201)について、進行乳癌を対象とした2件のグローバルフェーズ3試験を開始したと発表した。
開始したフェーズ3試験は、HER2陽性進行乳癌への2次治療として評価するDESTINY-Breast03と3次治療として評価するDESTINY-Breast02で、最初の患者への投与が開始された。
DESTINY-Breast03試験は、トラスツズマブなどの前治療を有するHER2陽性の進行乳癌患者を対象とした試験。trastuzumab deruxtecan投与群とT-DM1投与群の安全性と有効性を比較する。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、奏効期間など。日本、北米、欧州、アジアで約500人が登録される予定。
DESTINY-Breast02は、T-DM1を含む前治療を受けたHER2陽性の進行乳癌患者を対象とした試験。trastuzumab deruxtecan投与群と治験医師選択薬投与群の安全性と有効性を比較する。主要評価項目はPFS、副次評価項目はOS、奏効率、奏効期間など。日本、北米、南米、欧州、アジアで約600人が登録される予定。
また、第一三共は同日、trastuzumab deruxtecanについて、乳癌患者を対象としたグローバルフェーズ2試験DESTINY-Breast01の患者登録を完了したことも発表した。DESTINY-Breast01試験は、T-DM1を含む前治療を受けたHER2陽性の進行乳癌患者を対象とした試験で、主要評価項目は全奏効率。日本、北米、欧州、アジアで約230人の患者登録が行われた。