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2018/09/27

抗HER2抗体-薬物複合体DS-8201aはHER2発現またはHER2変異陽性NSCLCにも有望【WCLC2018】

横山勇生=編集委員

 抗HER2抗体にトポイソメラーゼ阻害薬DXdを結合させた製剤であるDS-8201aが、HER2発現またはHER2変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に有望であることが明らかとなった。フェーズ1試験のアップデートの結果、示されたもの。9月23日から26日までカナダ・トロントで開催されているIASLC 19th World conference on Lung Cancer(WCLC2018)で、昭和大学の鶴谷純司氏によって発表された。

 実施中のフェーズ1試験は、用量漸増パート(パート1)と拡大パート(パート2)から構成され、進行乳癌、胃癌、その他のHER2過剰発現か変異を有する固形癌を対象に行われている。今回発表されたのは、パート2dのHER2過剰発現か変異を有する固形癌に3週おきにDS-8201aを6.4mg/kg投与するグループのうちのNSCLC患者に関する結果だった。

 18人のNSCLC患者の結果が発表された(データカットオフは2018年8月10日)。患者の年齢中央値は58.0歳(23.0-83.0)、PS 0が4人(22.2%)、PS 1が14人(77.8%)。HER2変異を有していた患者は11人で、そのうちエクソン20の挿入変異があったのが8人、膜貫通ドメインの変異(G660D)があったのが2人、細胞外ドメインの変異(S310F)があったのが1人だった。8人についてはHER2変異の状態の情報が失われていたか調べられていなかった。前治療歴数中央値は3.0(1.0-10.0)で、多くの治療歴を有していた。腫瘍の直径の中央値は7.3cm(2.0-17.0)だった。

 抗腫瘍効果が評価可能な患者は、HER2発現またはHER2変異陽性患者18人と、そのうちのHER2変異陽性患者11人について調べられ、どちらでも高い効果が認められた。

 HER2発現またはHER2変異陽性患者18人の結果は、確認奏効率が58.8%(17人中10人)、確認疾患制御率が88.2%(17人中15人)、奏効期間中央値が9.9カ月(0.0+-11.5)、奏効までの時間(TTP)中央値が1.4カ月(1.0-4.2)、無増悪生存期間(PFS)中央値が14.1カ月(0.9-14.1)だった。

 HER2変異陽性患者11人の結果は、確認奏効率が72.7%(11人中8人)、確認疾患制御率が100%(11人中11人)、奏効期間中央値が11.5カ月(0.03+-11.5)、奏効までの時間(TTP)中央値が1.4カ月(1.0-4.2)、無増悪生存期間(PFS)中央値が14.1カ月(4.0+-14.1)だった。

 腫瘍縮小がHER2変異の状態に関わらずほとんどの患者で認められていた。

 DS-8201a 5.4mg/kgか6.4mg/kgが投与された固形癌患者全体の259人で多く認められたグレード3以上の副作用は、肺炎(6人、2.3%)、AST上昇(4人、1.5%)、ALT上昇(2人、0.8%)、間質性肺炎(2人、0.8%)だった。NSCLC患者18人で認められたグレード3以上の副作用は肺炎の1人(5.6%)だけだった。

 LFT、QTc、LVEFの異常は一般的に低グレードで無症候性だった。DS-8201aの投与はこれらの異常が認められた患者で継続されていた。

 infusion reaction(急性輸液反応)の発現率は低く、今までのところ重篤なものは報告されていない。

  DS-8201aを投与された固形癌患者全体のうち5件で、間質性肺炎/肺炎による死亡例が報告されており、NSCLC患者でも1例あった。NSCLC患者におけるグレード5の肺炎は、独立裁定委員会の評価で薬剤には関連なしと判定されている。

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